artist
Gary Bartz

spiritual jazz系のアルト奏者といえば真っ先に名前が出るのがこの人。Max Roach、Art Blakeyのグループで修行を積んだあと、McCoy TynerやPharoah Sandersとも共演。70年にはMilesのグループに参加するなど、素晴らしいキャリアを持ったプレイヤーである。彼のプレイはやはりColtraneの影響下にあり、特にアフリカ回帰をテーマにした彼のグループNtu Troop名義の作品での土着的でフリーキーな演奏スタイル、spiritual & funkyな楽曲はカッコいいの一言。 大好きなプレイヤーである。

discs
Libra / Another Earth ('67,'68/milestone)
Bartzの1st、2ndをカップリングした2in1のCD。収録時間の関係で「Libra」から1曲"Disjunction"が落ちてるのが残念。1st「Libra」はちょっとひねった新主流派という感じの作品。彼のルーツであるバップナンバーが多い中、爽やかな雰囲気のなかにdeepな感覚が潜む"Air And Fire"とM.Roachのアルバムでもやってたハードな"Libra"の2曲が面白いです。Bartz特有のうにょうにょしたソロはまだ聴けませんが、片鱗は感じられます。一方、2nd「Another Earth」ではグッと激しくなります。メンツはBartzとS.Cowell(p)、R.Workman(b)、F.Waits(dr)のカルテットがベース。さらにフリーありバップありの23分に及ぶタイトル曲ではC.Tolliver(tp)、P.Sanders(ts)も参加。もうあの感じですよ。強力な2人のゲストに触発されてBartzも吹きまくってます。Pharoahはもちろんですが、前作(J.Owensがtp)と続けて聴くとTolliverのペットのなんと強力なこと。カッコいいですね。ラストの"Perihelion And Aphelion"も強力!

LP ONLY
Home! ('69/milestone)
アフリカ回帰をテーマにした彼のバンドNtu Troop名義での最初の作品。メンツはW.Shaw(tp)、A.Dailey(p)、B.Cunningham(b)、R.Ali(dr)と豪華。この作品を発表後、BartzはMilesバンドに参加するため、Ntu Troopの活動を休止してしまう。その後、再編されたNtu Troopはメンバー総入れ替えなので、このメンバーでの演奏が聴けるのはこのライブ盤のみ。Aliが叩き出す強力なポリリズムに乗せてフロントの2人が吹きまくるアフロジャズナンバー"B.A.M"(Black Arts Movementの略)をはじめ、次作でヴォーカルをフィーチャーして再演されるNtu Troopのテーマ曲"Rise"やエネルギッシュな"Love"、瞑想的なバラード"Amal"などカッコいい曲満載。激オススメアルバムなんですが、残念ながら未CD化です。Milestone盤なんでCD化されてもいいと思うんですけどねー。

Harlem Bush Music - Taifa ('70/milestone)
彼の実の娘Taifaの名前をタイトルにした、Ntu Troopを率いての2作目。対を成す次作とともにMalcolm XとColtraneに捧げられたアルバム。全編にわたってAndy Bayの真っ黒な男前ヴォーカルをフィーチャーし、Juni Boothのgroovyなベースも効いていて、めちゃくちゃかっこいい真っ黒な名盤です。アフロ色全開の"Drinking Song"やcoolに迫る"Taifa"、Bartzのアルトが爆発する"The Warriors' Song"など全曲捨て曲なし。soul、funkのリスナーにも是非聴いてほしい激おススメ作品です。

Harlem Bush Music - Uhuru ('71/Milestone)
NtuTroopの3作目。前作同様土着色の強いブラックミュージックが展開されている。Bartzのヘロヘロピアノとヴォーカルが奏でるブルースで始まり、途中からAndy Bayも加わってfunkyにヒートアップしていくオープニングトラック"Blue"やPOPなヴォーカルチューン"Uhuru"、Andy Bay作の"Celestial Blues"など、どれもカッコいいがラストの黒すぎる4ビート"The Planets"がカッコよすぎ。この曲の最後では前作の1曲目"Rise"がフェードインしたあと、前作の最初のフルートの音で締められる。この2作で1つの作品だということだろう。

Juju Street Songs ('72/Prestige)
Milesバンド脱退後、Prestigeへ移籍して活動を再開したNtu Troopの4作目。ここではsoulナンバーのカヴァー2曲を披露しており、当時のnew soulとの接近を見せているのが非常に興味深い。1曲目はMichel Jacksonが歌ったLeon Wareの名曲"I Wanna Be Where You Are"。あのPOPなメロディラインからフリーキーに展開していくアレンジがめちゃくちゃカッコいい名カヴァー。もう1曲はS.WonderがSyreetaに提供した"Black Maybe"。 シンプルなジャズブルースアレンジでAndyが歌っている。残る3曲も文句なし。

Follow, the Medicine Man ('72/Prestige)
アフリカ色はそのままに、よりタイトになった印象を受けるアルバム。オーヴァーダブを多用したつくりになっているが全く問題なし。オープニングの"Sifa Zote"からパワー全開。タイトなfunkナンバー"Whasaname"、"Dr.Follows Dance"もカッコいい。soul名曲のカヴァー"Betcha By Golly,WoW"もspacyでspiritualな仕上りになっていて素晴らしい。極めつけはラストの"Sing Me A Song Today"。不穏な雰囲気がたまりません。Ntu Troopのアルバムは全部はずせませんな。

I've Known Rivers and Other Bodies ('73/Prestige)
73年のモントルージャズフェスティバルでのライブを収めたNtu Troopの集大成的作品。イントロ的な"Nommo-The Majick Song"に続く"Sifa Zote"の勢いなんかもう尋常じゃありません。鳥肌もんです。"Jujuman"では"Love Supreme"の一節も飛び出します。中盤のspiritualな"Mama's Soul"、名曲"I've Known Rivers"でクールダウンしたあとは"The Worriers' Songでまた盛り上がり・・・と全く退屈しない構成。Andy Bayはいないけど、Bartzが頑張って歌ってます。ここでしか聴けない曲も収録されてるので、これは必聴でしょう!絶対買いです。

The Shadow Do ('75/Prestige)
巷で人気のSky High Productionsがプロデュースしたソロ名義作品。僕はSky Highあんまし好きじゃないんですよね。どれ聴いても本人の作品というよりはSky Highの作品になってしまうんで。 というわけで、あの感じが好きな人以外には勧めません。昔は好きだったんですけどね。あ、決して悪くはないですんで勘違いしないように。

Ju Ju Man ('76/Catalyst)
Ntu Troop以降のアルバムはなんか軽くてあまり好きじゃないんですが、このアルバムは別。聴き所はなんといってもColtraneの"Love Supreme"をモチーフにしたspiritual jazz funk"Ju Ju Man"でしょう。上記ライブ盤「I've Known Rivers〜」収録のラフなヴァージョンもカッコいいんですが、こっちの過剰に思えるほどキメキメにアレンジされたヴァージョンもなかなかカッコいいです。ヴォーカルにSyleetaをフィーチャーしたスタンダードナンバー"My Funny Valentine"も味わい深いです。他にColtraneナンバー"Straight Street"も収録。

Love Song ('78/VJ International)
彼の作品の中で最もsoulよりのアルバム。Mervin Gayeの"You"カヴァーなんかもやってます。これはSky Highじゃありませんが、同様に洗練されたアレンジになってます。よって僕は興味なし。これを聴いてBartzだと思う人はいないでしょう。なんの引っかかりもない、つまらんアルバムだと思います。好きな人には申し訳ないですけど。

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