artist
Cecil McBee

A.Pepper、J.McLean、S.Rivers、W.Shorter、G.Moncur III、C.Lloyd、P.Sanders、C.Freeman、L.L.Smith、山下洋輔などなど、メインストリーム系からフリー系まで錚々たるメンツと共演を果たしてきたベーシスト。spiritual jazzを追っかけている人にとっては最重要ベーシストといっても過言ではないでしょう。僕が一番好きなベーシストもこの人です。ぶっとい音での重厚なプレイが特長で、ときにはファンキーに、ときにはエグエグにと引き出しの多さも魅力です。ツボを押さえたバッキングもセンス抜群。アルコプレイも非常に安定してます。といっても単なるテクニシャンじゃなくて、独特の後ノリ感はこの人ならでは。もう文句のつけようがないですね。コンポーザーとしても素晴らしく、リーダー作もいい作品が多いので是非々々チェックしてみてください。最後に余談ですが、数年前から某ギャル系ブランドを名前の件で訴えてるみたいですね。でも訴えは退けられ続けているそうです・・・。

discs
Mutima ('74/Strata-East)
McBeeの1stリーダー作。もちろん全曲彼のオリジナルで、ベーシストとしてのテクニシャンぶりだけでなく、コンポーザーとしての魅力も十分に味わえる名盤です!オープニングの"From Within"はアルコの多重録音によるフリーキーな名演。この表現力はスゴイ!Dee Dee Bridgewater"をヴォーカルに迎えた"Voice of The 7th Angel"はspiritualな小曲。タイトルトラック"Mutima"はPharoahとやってた頃を思わせる緩急の効いたドラマティックな名曲。他にも超高速ウォーキングベースが聴けるfree色の強い"Life Waves"や息子もエレベで参加しているアブストラクトなファンクトラック"Tulsa Black"など全曲spiritual感溢れる名曲ぞろい。 やっぱり好きです、この人。そうそうGeorge Adamsも参加してて、相変わらずのプレイを聴かせてくれてます。

Music From The Source ('77/Enja)
個人的に一番気に入っているenjaでの1作目。77年のSweet Basilでのライブ盤です。初めて聴いたときにはあまりのよさに鳥肌立ちましたよ。とにかく熱気に満ちたエモーショナルなパフォーマンスはカッコいいの一言。メンツはC.Freeman(fl、ts)、J.Gardner(tp、flh)、D.Moorman(p)、S.McCall(dr)、F.D.Moye(per)とAACM勢3人を含むセクステット。まずオープニングの"Agnez"はR.Haynesに捧げられた激アフロなナンバー。McBeeのアルコ&指弾きベースにフルート、ピアノ、パーカスが絡むダークなイントロから、スネアの「ドンッ!」で一気に強烈なテーマに入る瞬間からめちゃくちゃカッコいいです。その後一気にアグレッシブに展開。まずChicoのテナーソロが熱い!それに続くMoyeの長尺パーカスソロも圧巻。もう文句なしです。次の"God Spirit"は、Gardnerのtpがフィーチャーされたタイトル通りのspiritualなバラード。瞑想的な雰囲気がたまりません。McBeeのベースプレイも流石です。ラストの"First Song In The Day"はMcBee参加のH.Galperのアルバムから(この曲のみGalper作)。ちょいラテンタッチのこの曲、強めのタッチのピアノのリフに導かれて提示されるストレートなテーマから一発でもっていかれます。この手の曲に弱いんですよ。曲はもちろん、各人のソロも素晴らしくて、これも文句のつけようがない出来です。以上全3曲、このクオリティは尋常じゃありませんよ。実験的な作風のものも多いMcBeeのリーダー作のなかではストレートな作品ですが、その分全体のノリでは間違いなく一番です。これは一家に一枚、必携のアルバムです!

LP ONLY
Compassion ('77/Enja)
上の「Music From The Source」の次の日に録音された、同じメンツ同じ会場でのライブ盤。同様に熱気が溢れてます。曲のダブりはなし。こっちのオープニングはChico Freemanのオリジナル"Pepi's Samba"。スタジオヴァージョンよりも速いテンポでガンガン攻めてて、スゴイことになってます。Chicoも吹きまくり。やっぱりカッコいいですね。次もChicoのアルバムからMcBee作の大名曲"Undercurrent"!ChicoとMcBeeのコラボでは個人的に一番好きな曲です。McBeeのエグいベースリフに、Chicoもソプラノで応戦。両者これでもかとばかりにはじけてます。B面全部を占める"Compassion"はMcBee作の重厚かつダークなワルツジャズ。これがまたカッコよすぎです。こんなライブ、一度でいいから体験してみたいもんです。残念ながらCD化されてませんが、中古LPなら1000円前後でよく見かけます。「Music From The Source」とあわせて是非聴いてみてくださいませ。決して損はしないと思いますよ。

Alternate Spaces ('77/India Navigation)
ロフトジャズを代表するレーベルIndia Navigationでの1作目。メンツはD.Pullen(p)、C.Freeman(ts、ss、fl、bc)、J.Gardner(tp)、A.Nelson(dr)、F.D.Moye(per)。オープニングのタイトル曲は、McBeeの長尺ベースソロで始まり、Chicoのバスクラがさらに怪しげな雰囲気を醸し出す、かなりフリーなナンバー。正直ちょっとキツイです。続く"Consequence"は全編通してアルコでバッキングをとる幻想的なバラード。美しいですね。で、僕が一番好きなのが次の"Come Sunrise"。モーダルなテーマをもった曲で、メロディ展開がいかにもMcBeeっぽくていいんです。Chicoのソプラノソロもカッコいいです。"Sorta,Kinda Blue"はいかにもロフトジャズといった雰囲気のいびつなバップナンバー。ベースソロが炸裂してます。ラストの"Expression"もMcBeeの重厚なベースが堪能できます。前半はゆったりとしたベースソロが中心で中盤以降は短いテーマ一発で押し切る構成。シンプルな曲ですが、いい意味で力の抜けた演奏が気持ちいいです。このアルバム、McBeeの作品で一番評価が高いようですね。僕は上のライブ盤のほうが好きだったりしますが。でも十分オススメできる内容です。

LP ONLY
Flying Out ('82/India Navigation)
India Navigationでの2ndアルバム。McBeeのリーダー作のなかで最も実験的なのがコレ。まず編成が特殊で、J.Blake(vln)、O.Dara(cornet)、D.Eyges(cello)、B.Hart(dr)と今までとは全く違ったメンツ。McBeeはベースに加えて、なんとピアノも披露してます。オープニングは"First Impressions"。イントロから弦楽器の怪しげなアンサンブルが飛び出して一瞬怯みますが、曲は意外とストレート。McBeeの重厚なソロが聴けます。次の"Truth-A Path To Peace"はMcBeeらしい起伏の激しいテーマに続いてMcBeeのピアノとヴァイオリンが絡む内省的な曲。注目はピアノですが、最初はちょっとセンチメンタルな感じでいっときながら、中盤はコードをガンガン叩いて頑張ってます。腕のほうはちょっと判断できませんが・・・。B面アタマの"Into Fantasy"はこのメンツなら当然やるであろう弦楽3重奏。なかなかドラマティックです。タイトル曲"Flying Out"は今作中一番激しい仕上がり。ベースのオスティナートにフリーキーなストリングスが乗っかります。ラストはちょっと妙な感じのブルースナンバー"Blues On The Bottom"で締めます。このアルバム、実はあんまし聴いてません(笑)ちょっと特殊な内容なので紹介してみました。コアなMcBeeファン向けってことで。
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