artist
Steve Reid

F.Hubberd、J.McLean、A.Shepp、G.Bartz、H.Shilver、M.Davis、Sun Raなどといったジャズ界の大御所たちとの共演暦を持つフリー系のドラマー。高校時代にはセッションドラマーとしてMotownに呼ばれ、Martha & The Vandellasの名曲"Heat Wave"で叩いていたり、アポロシアターのハウスバンドのメンバーでJ.Brownとも共演していたりとsoul/funk畑での活動暦も。彼のスタイルは一般的なジャズ系ドラマーとは全く違う、独特のシンバル使いが特徴。聴きようによってはロックっぽかったりしておもしろい。70年代には自己のレーベルMustevic Soundを立ち上げ数枚の作品をリリースしている。

discs
Rhythmatism ('75/Mustevic Sound)
当時1000枚しかプレスされなかったという激レア盤がSoul Jazzから奇跡のリイシュー!メンツは5曲中4曲を手がけるL.Walker(p)他、D.Wertman(b)、A.Brythe(as)、C.Tyler(bs)などが参加。オープニングは8ビートのspiritual jazzナンバー"Kai"。テーマを聴いただけでもっていかれます。後半の盛り上がり部分でのL.Walkerのピアノソロがめちゃくちゃカッコいいです。続く"Rocks"ではReidのシンバルのキメとWertmanのファットなベースが聴きもの。"Center Of The Earth"はPharoahファンにもオススメの祝祭性の強いラテン調のナンバー。この曲のみJoe Falcon作です。今作中もっともストレートなジャズナンバー"C You Around"の疾走感もたまりません。ラストは"One Minute Please"という1分間のドラムソロで締めくくられます。このアルバム、Les Walkerがすごくいいです。いい曲書くし、この人のピアノが全体を引き締めてるような気がします。A.Blytheは個人的にあまり好きじゃないんですが、ここで聴けるプレイは壊れすぎてなくてちょうどいいです。 これは噂に違わぬ名盤ですよ。全編よすぎです。

Nova ('76/Mustevic Sound)
Steve Reidの2ndアルバム。前作とは少し違ってspacyな雰囲気が濃厚な作品。Larry Youngの「Lawrence Of Newark」に近い感じでしょうか。メンツはL.Walker(p、org)が前作から引き続き参加。あとは総替えで当時Sun Ra ArkestraのメンバーでもあったAhmed Abdullah(tp)も参加してます。この人の吹くトランペットは僕の好きなタイプですね。別項で紹介しているSoul Jazzから出たコンピ「Universal Sound Of America」にも収録されたA.Abdullah作の"Lions Of Juda"や同系列の"Long Time Black"はまさしくSun Ra系。とくに前者で聴けるL.Walkerの怒涛のオルガンソロはスゴイです。 L.Walker作のドラマティックlな"Free Spirits-Unknown"もトランペット、ソプラノ、ピアノが暴れまくる必聴ナンバー。J.Rigby(reeds)作の"Sixth House"も負のエネルギーが爆発したようなナンバー。ガチャガチャした感じがカッコいいアルバムです。

LP ONLY
Odyssey Of The Oblong Square ('77/Mustevic Sound)
NYのFM局WKCRの「Jazz Alternative」という番組のために行われたライブ音源を収めた彼の3rdアルバム。この作品は上記の2作品とは違い、両サイドに渡って延々とインプロヴィゼーションが繰り広げられている。メンバーはReidに加えて、C.Tyler(as)、A.Blythe(as)、A.Abdullah(tp)、D.Wertman(b)、M.Abdullah(per)の鍵盤抜きのセクステット編成。変幻自在なドラムにのせてフロントの3人が順番にソロを取っていきます。パーカッションが効いていてアフロっぽい感触も。インプロオンリーというと、うるさいだけで退屈そうに思いますが、この作品は各人が好き勝手に吹いているようなものとは違うので比較的聴きやすいです。とは言ってもマニア向け作品には違いないですが・・・。

Spirit Walk ('05/Soul Jazz Records)
Soul Jazzがまたやってくれました!なんとSteve Reidの新録です!!エレクトロニカ系のアーチストKieran Hebden(よく知りませんが・・・)とのコラボってことで正直ちょっと心配だったんですが、フタを開けてみるとエレクトロニクスもそれほど嫌味じゃなく溶け込んでて、印象はいつものReid作品だったんでひと安心。それどころか過去のReid作品にも引けをとらない充実した内容でビックリしました。Reidのプレイは全く衰えを感じさせませんし、メンバーも知らない人ばかりなんですが、総じていい感じです。まずオープニングの"Lugano"からもうカッコいいの一言。Reidが現在暮らしているスイスの地名をタイトルにしたナンバーですが、そのわりにはアフロテイスト(笑)Coltraneに捧げられた"For Coltrane"もいかにもReidっぽいし、ワルツリズムのマッシヴなモーダルナンバー"Which One"もホントカッコいいです。「Nova」収録の"Lions Of Juda"も再演されてるんですが、コレもなかなかの出来。なぜかテーマ部分が「ドリフ?野球拳?」ってな感じになってますが(笑)他にもReidのドラムとスポークンワードにエレクトロニクスが被さる"Drum Story"、ユーモラスな"Bridget"、ミステリアスな"Blind Tom""It Cannot Be True"、この中では一番クラブトラック風なアレンジの"Unity"などなど、全編通して聴き応えバッチリのアルバムに仕上がってます。コレは必聴ですよ〜。しかしSoul Jazzにはホント頭が下がりますね。感謝です!こうなったらライブが観たいですね。誰かReidを日本に呼んでください!

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