底床などの影響による長期ph測定実験

▼実験方法及び目的▼
底床は種類によっていろいろな影響があると言われています。
その中の1つに、phへの影響があります。これは底床の種類などによって何かの汁なりが出ているだろうことも一因です。
しかし水槽内ではろ過や生体の影響で、何かが出ていても吸収分解などによってその変化は正確にはわかりません。
そこで純粋に水に何かが溶け出すことによるphの変化を測定する実験をします。

実験方法は密閉瓶に底床と水を入れ、phを測定していきます。
実験期間は1年、これによって底床の水に対する長期的な影響を調べていきます。
底床は3種類、使い古した大磯とこの頃気に入ってるGEXピュアサンド、そしてララお勧めのマーフィードコントロソイル、これに比較対象に水のみのものを用意します。

▼経過グラフ▼


▼実験結果▼(2005/08/24加筆修正)
まずはそれぞれの結果を見てみましょう。
水=水のみ 大=大磯 ピ=ピュアサンド ソ=コントロソイル
ph
9/20 10/5 11/13 12/31 4/2 8/12 9/20 平均 最小 最大
7.5 6.3 6.5 6.5 6.5 6.8 7.0 6.6 6.3 7.0 0.7
7.5 7.0 7.3 7.3 7.5 7.5 7.3 7.3 7.0 7.5 0.5
7.5 6.0 6.0 6.0 6.2 6.3 6.3 6.1 6.0 6.3 0.3
7.5 5.0 5.0 5.8 5.5 5.5 5.5 5.4 5.0 5.8 0.8
硝酸塩濃度
- - - - 4/2 8/12 9/20 平均 最小 最大
20 10 10 13.3 10 20 10
30 25 25 26.7 25 30 5
25 10 10 15.0 10 25 15
50 50 50 50.0 50 50 0
以上のような結果になりました。

まずは比較の為の水のみの結果から考えます。

密封状態だったにも関わらず硝酸塩反応があったことから、使用した水に有機物が含まれていたことが推察されます。
また水分を蒸発した結果白い物質が微量ながら残ったことからも、何らかの物質が融解していたことは想像に難くないでしょう。
実験に使用した水が純水でなく水道水だったことを考えればれば、水源次第で如何様にも有機物が混入する可能性はあります。あるいは脱塩素処理に使用したビタミンカルキ抜きの有機物かも知れません。

phを注目すると、開始から10/5の時点でphが下がっています。これは水に含まれる有機物などが腐敗等したからなのかも知れません。
ただその後phが上がってきたこと、また硝酸塩濃度が下がっていることが少し判断に悩みます。
少し飛躍することを許してもらえるならば、長期の密閉止水状態によって嫌気ろ過バクテリアによる何らかの作用があった、という可能性もなくはないのですが、脱窒バクテリアに関しては別途エサとなる有機物が必要であり、また硫化バクテリア関係でいうならば生成物特有の臭いもあるはずだがそれもない。
そのことを考えると、硝酸塩が亜硝酸塩、さらにはアンモニアと、通常の好気ろ過とは逆のサイクルが起こった可能性の方が理解には容易いかと思う。
何にしても水のみでは安定がイマイチよろしくないようだ。


この水のみの結果を元に、他のモノも比較していきます。

今回大磯が唯一、開始当初に近い値で安定しました。
開始後phが7.0まで下がりましたが、その後は7.3〜7.5と非常に安定した数値を叩いてくれました。
硝酸塩濃度が水のみより高いのは、長年使用してきた大磯なので洗浄で落ちなかったモノがあったのではと思われます。これは水分を蒸発させて残った物質が水のみより多かったことからも推察されます。
この結果を一見するならば「大磯は弱アルカリ(とは言ってもほぼ中性)で安定する」とも受け取りかねませんが、元の水のphを考える時、むしろ水質に影響が少ない状態で安定している、と言うことも可能だと思います。
ただ新しい大磯でも同じ結果が出るか、というと、多いに疑問が残ることが事実です。

GEXピュアサンドも非常に興味深い結果になりました。
開始当初を除けば最も安定しているphを叩いており、理想に近い弱酸性と言えるでしょう。
しかも水分蒸発実験と硝酸塩濃度の結果から見ると、水に何も融解させずに水質に影響を与えていることが考えられます。少なくとも有機物は解けていないのでしょう。
そして当然ですが、鉱物系で非吸着系砂利なので、崩れることもなく永年使用ができると思われます。
ただ今回は硬度を計っていないため、無機物が水に溶け込んでいる可能性は否定できません。

マーフィードコントロソイルについては、非常にソイルらしい結果と言えるかも知れません。
序盤急激にphが落ち込み、その後上下に大きく変化しています。そのふり幅は水のみよりも大きく今回最大です。
ただ弱酸性の範囲には収まっているので、ある意味安定していると言えなくも無いのですが…製品によってはもっと品質も性質も違うだろうことを考えると、私が以前経験したph急降下事件もある意味起こっても不思議ではない、と言えるのでしょう。
これには融解物が多いことによる干渉と、ソイル自体の崩壊が関係しているのかも知れません。
あくまで仮定ですが、ソイルの場合の安定はある程度水に有機物が溶けだすことによる安定であり、それはソイルに端を発している以上崩壊などで表面積が増えることで急激に影響を与えることもあるのではないだろうか、と個人的に思いました。

▼結論▼
今回の結果からは、底床を入れた方が水質の変動を少なくする可能性が高いこと、またソイル系よりも鉱物系の方が水質への有機物の融解が少ないという意味での影響が少ないこと、ということが見てとれる。
また昔から言われる「大磯は使い込めば良くなる」と言ったことを裏付けるかのように、大磯については水質に影響が少ない状態で安定する、という性質があるという結果になったのではないだろうか。

ただ今回モノによってはphや硝酸塩濃度の上下があったモノの、普通の飼育環境化に比べると遥かに変動の少ない結果となった。
これは言うまでもなく、生体を入れていないことによって水質に与える影響が少ない、ということであり、生体を入れての飼育実験をすれば今回と違う可能性もある、ということである。
それを言い換えるならば、底床は底床でしかなく、管理者の飼育方法などによって如何様にも変わる、ということも暗に示しているのではないだろうか。
底床をうまく活用することはもちろんのこと、それ以外の事も含めての管理というモノが大事なのだと、ありふれた結論ではあるがそう思った次第です。


最後に、2005/08/24現在、この記事を書かせて頂いております。
ただこの実験自体は2004/9/20に終わっており、記事自体は2004/9/25に完成をしておりました。
ただその文章をまとめることがかなわずに、余りに稚拙な文章だった為に公開をためらっていた、というのが本当のところです。
愚痴っぽくなってしまいましたが、今日なんとか完成公開に至りました。
ありがとうございましたm(__)m

…ついでなので9/20にまた測定してみます、1年近く瓶そのままで放置してるんすよ( ̄〜 ̄;


◆2004/09/20◆
実験開始からついに丸1年が経ちました。
まずはいつもの画像から。

↑左から水→大磯→ピュアサンド→ソイルです。
最初以外は全て同じ画像でもわからないのでは?と思いつつ、マジメに毎回画像を撮ってきました。
見た目はどれも透明度が高いです。濁っていたりしたのは初回だけでした。
よく見るとどれにも小さな沈殿物や浮遊物があるようです。

phは前回とほぼ同じです。
水のみ ph約7.0
大磯入り ph約7.3
ピュアサンド入り ph約6.3
コントロソイル入り ph約5.5

今回も硝酸塩の濃度を調べてみましたが、前回と全て同じになりました。
水のみ 約10mg/l
大磯入り 約25mg/l
ピュアサンド入り 約10mg/l
コントロソイル入り 約50mg/l
面白い結果になりました。

さらに今回は融解物の有無を見る為に、水を蒸発させてみました。

↑スプーンに水をすくって加熱。
ローソク3本立ててあぶって、水分を蒸発させてみました。


↑水のみのモノ
白い跡が水に溶けていた物質。
やはり何かが解けていたようです。水道水は純水ではないので当然といえば当然です。


↑大磯のモノ
ちょっと見辛いですが、全体的に白くなっています。
水のみに比べてより多く、何かが解けていたことが予想できます。
この大磯は長年使っているモノなので、その関係で今までのモノが解け出したのかも知れません。


↑ピュアサンドのモノ
光が反射して見づらいですが、水のみと同じ感じになりました。
ピュアサンドから水に解けだす物質が出ていない、ということなのでしょう。


↑コントロソイルのモノ
これも光が反射して見づらいですが、水のみよりやや広く白い部分があります。
予想よりも水に溶けだしている物質が少ないのでしょうか?

この実験で、ある程度ではありますが水に溶けだしている状況を想像することができるでしょう。
ただこの方法では、気化してしまう物質や沈殿している物質は含んでいない為、全ての融解もしくは混合物質を見ることはできていないのだと理解下さい。

とりあえずこの実験は今回で最後になります。
1年間お付き合い、ありがとうございました。

◆2004/08/12◆
毎度サボりすぎて申しわけありませんm(__)m
前回から4ヶ月、トータル11ヶ月経ちました。

↑左から水→大磯→ピュアサンド→ソイルです。

ph結果はやはりあまり変動ないです。
水のみ ph約6.8
大磯入り ph約7.5
ピュアサンド入り ph約6.3
コントロソイル入り ph約5.5

今回も硝酸塩の濃度を調べてみました。
水のみ 約10mg/l
大磯入り 約25mg/l
ピュアサンド入り 約10mg/l
コントロソイル入り 約50mg/l
面白い結果になりました。

水のみを見る限りでは、たぶん水道から摂取して脱塩素処理をした段階で、なんらかの有機物が存在したことがうかがえます。
大磯で硝酸塩濃度が高いのは、恐らく長年使っていたために大磯に貼りついていた有機物の分でしょう。
コントロソイルはソイルに含まれている物質、ソイル汁(仮称)で水質が安定すると同時に有機物の放出されたのでしょうか。
まぁここいらは今までの考察をあまり変わりません。

特筆するべきはピュアサンド、
ピュアサンドは水のみと同じ硝酸塩濃度である。これは前回の時も類似値であることを考えると、水そのものには影響を与える成分を出さずに、何らかの形でphを安定させている、ということでしょう。

予想外の展開に驚いています。
おそらく次回がこの実験の終わりになります。その時に結果がどうなるか、楽しみです。

◆2004/04/02◆
サボりすぎてました、申しわけない。
前回より丸3ヶ月、開始より半年が経過しました。

↑いつものように水→大磯→ピュアサンド→ソイルです。

ph結果は前回とほぼ同じです。
水のみ ph約6.5
大磯入り ph約7.5
ピュアサンド入り ph約6.2
コントロソイル入り ph約5.5
すでに変動がないようなので、この辺りで安定したのではないかとも思われます。

そう言えば前回各瓶の水面に浮かんでいた白い物体ですが、今回は水面にはまったく見かけませんでした。
ただし、水のみの瓶だけは沈殿物が確認できました。
何て言うかこう…水カビかホコリのようなものが幾つか沈んでいました。
何なのでしょう…

臭気は前回と変わらずです。

今回初めて硝酸塩濃度を測りました、Tetraの試験紙で。
結果は以下の通りです。
水のみ 25弱mg/l
大磯入り 25強mg/l
ピュアサンド入り 25mg/l
コントロソイル入り 50mg/l

この結果…特に水のみを見る限りでは、水道水に有機物が混じっている可能性がある、ということでいいのかな。
実際問題水道水中の有機物は0ではないでしょうから、不思議ではないのかもしれません。
さらにphが弱酸性に傾いてきた今までを考えると、やはり有機物が混じっていてそれが分解された、ということでしょうか。
ということを踏まえて、他のを考えてみますと…

恐らく大磯は使い古しなので、何らかの有機物が砂利に付着していた可能性が高いと思います。
その分水のみより若干硝酸塩濃度が高くなったのではないかと。
でもそれだと硝酸塩によって酸性に傾く、ということがない今までのph結果が気になります。予想以上にいろいろ出ているのでしょうか。

さてピュアサンドですが、実は購入当初にわらのようなモノが袋内に入ってました。
いちお水洗いしたんですが、若干残っていた可能性も捨て切れません。
あるいはわらが混入してるくらいなら、何かの有機物が入っていても不思議ではないのかも。

ソイルはもちろん有機物いっぱいなのでしょう、元が土ですから。
そう考えると増えても不思議ではないかと思います。


今回硝酸塩濃度を測ったことにより、よりいっそう思考材料が増えて良かったと思います。
あとグラフつけました、参考までに。

◆2003/12/31◆
開始より丸3ヶ月ちょい、前回より1ヵ月半経過です。

↑いつものように水→大磯→ピュアサンド→ソイルです。

ph結果は前回と近い値です。
水のみ ph約6.5
大磯入り ph約7.3
ピュアサンド入り ph約6.0
コントロソイル入り ph約5.8

ソイルのみ変化がありました。
0.8ほどph上昇、目測とはいえ1近く変化があったのには驚きです。
私の部屋は今の時分、朝方に0度近くまで冷え込みます。地域的な問題と家が古いのが原因ですが。
もしかしたらその関係でソイル汁の溶ける量に変化でもあったのでしょうか…(ソイル汁が出てると仮定した上での話)

今回各瓶に、白い浮遊物が確認できました。
極少量、塩粒ぐらいのものが2〜4つほど確認しました。
水カビが生えた有機物に見えなくもないですし、フタの塗料がはげたものにも見えます。
あるいはりうかフケが入ったか…風呂に入ったばかりだすが…
ちょっと疲れていたので見なかったことにして放置しました。
もし次の測定時に消えているor1つ辺りの体積が増えていれば有機物の疑い大、大きさ変わらずで数が増えていれば塗料ってとこかな、とりあえず経過観察です。

臭気は前回と変わらずです。

◆2003/11/13◆
前回より1月強、実験開始より2ヶ月弱が経過しました。

左から水のみ、大磯入り、ピュアサンド入り、コントロソイル入り。
前回同様、どれも水の濁りが落ち着いています。

一番の関心事のphですが、前回とほぼ同じ結果です。
水のみ ph約6.5
大磯入り ph約7.3
ピュアサンド入り ph約6.0
コントロソイル入り ph約5.0

前回とほぼ同じ結果になりました。
特にソイルとピュアサンドは前回とまったく同じ結果になりましたが、これは各底床によるph維持効果の現れ、ということだと思われます。
量にもよるのでしょうが、同じ弱酸性でもソイルよりピュアサンドの方が中性に近い分、イシマキガイなどとの共生には向いているかと思われます。

水のみの瓶がph6.3からph6.5になりましたが、この程度ならさして問題となるほどの変化ではないでしょう。
中性に近づいているかは今後の経過を見ての判断です。

前回予想外の結果をもたらした大磯ですが、今回は7.3と若干上がっているものの誤差の範囲内とも言えます。
これからの結果が楽しみです。

今回、各瓶の臭気もかいでみました。
水のみと大磯は無臭だったのですが、ソイルは土臭かったです。原料の臭いそのままです。
ピュアサンドはうまく言えないのですが、何かの石のような匂いがしました。これも原材料に由来するのでしょうか。
臭気で水の腐敗を確認したかったのですが、どれも腐敗臭等はしなかったことをみると、それぞれの形で安定してるのかと思われます。

約2ヶ月が経過しました。
今後は1〜2ヶ月に1回のペースで経過を見守る予定です。

◆2003/10/05◆
半月経過しました。

左から水のみ、大磯入り、ピュアサンド入り、コントロソイル入り。
見た目はどれも水の濁りが落ち着いています。

一番の関心事のphですが、予想外の結果が出ています。
水のみ ph約6.3
大磯入り ph約7.0
ピュアサンド入り ph約6.0
コントロソイル入り ph約5.0

ピュアサンドとコントロソイルは予想通りの結果です。どちらも製品説明通りにphの降下が起こっています。
予想外だったのが水のみと大磯です。

水のみの瓶がph7.5からph6.3に低下、密閉状態では何らかの物質の混入は考えられないので、水中に溶けていた物質が気化したか、瓶の中の空気から水に溶け込んだか、あるいは水の中に含まれる物質が化学変化を起こしたかです。一番可能性のあるのは水中に有機成分がありそれが分解されて…というとこでしょうか。
とは言え密閉状態でそれほどの変化が起きるとも思えません。
これ以上の検査もできないので、今後の経過を見守るのみです。

大磯の場合はphが7.0で止まっています。今回の結果を見る限りでは水のみよりもphが安定していると言えます。
長年に渡って培ってきたバクテリアの作用なのでしょうか、大磯に吸着作用があるとも思えませんし。

まだ半月なので判断するには早計ですが、予想以上に水のみでの安定が困難である可能性が出てきました。

◆2003/09/20◆
実験開始、ビンに底床を入れて密閉。

左から水300ml、使い古し大磯100ml+水300ml、ピュアサンド100ml+水300ml、コントロソイル100ml+水300ml、です。
大磯とピュアは少し濁っていますが、いちおすすいでから使用です。
ソイルは予想通りすごい濁りですがそういうもんだと思って軽くすすぐだけでそのまま使用、洗っても崩れるしのう。
使用した水は全て同じでphは7.5です。
とりあえず1ヶ月放置します。

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