第6回 それぞれの水槽

その後、水槽はどうだわさ?
え?いや、なんとかやってるだすよ。
それは何よりね。
ねぇサギー…どった?
なんか様子おかしいぞい
ふざけてないでちゃんと聞きなさい。
今日で、ろ園の講習は最後になるだわさよ…
え?
今日は水槽において、
いや水槽家として何が一番大切なのか、
それを話していきます。
それはいいけど…
なんかいつものサギーらしくないだすよ…
いいから席につきなさい、
今日でこうやって教えるのも最後になるから…
水槽家として何が一番大事なのだろう。
それが今回のテーマになります。
ポケロ〜は水槽にとって、何が一番大事だと思う?
やっぱタイプのカエルを育てることだすね〜♪
周りがなんと言おうとおら色に染めちゃうだすよ〜♪♪
ポケロ、真面目に答えてね。
こんなのサギーじゃない!!
ポケロ…
いつも真面目にやって欲しいって言ってたじゃない…
だって…わかんないだすよ…
どうして最後みたいに言うだすか…
いつもみたいに史上最低最悪の暴君面してくれなきゃ
調子狂いまくってしまうだすよ…
そんなふうに見てたのね…まぁよし、
それはそうと、さっきの答えは?
大切なもの…テクニックだすか?
テクニックもあった方が良いけどね、
そういうのはやってれば身に付く経験に根ざしたものね、
それに実際には基本に忠実にやれば
さして必要なテクなどありやしない。
さぁなんだと思う?泣かずに答えるべし
テクじゃないとしたら…
よい機材を使うとか?
確かに機材選びも重要な要素ね。
でもそれは個人の好みや水槽の状況にもよるから、
一概にも言えない部分ではある。
大事なのはある意味それも含んだことよね。
とすると…なんだろ…
少し質問かえようか。
ねぇ、水槽ってみんな同じだと思う?
う〜ん…いろいろじゃないの?
まさしくその通りね。
水槽の数だけ環境は違う、
同じ人が同じ様にやっても違ってくるものだわさ。
長い間水槽をやってきた人でも、
まったく同じ水槽を作り出すことは不可能だわさ。
じゃあなんでこういうことが起きると思うかな?
難しいっすな…ちとようわからんが…
それはね、水槽が1つの生き物だから、
水槽が生き物?
そうだわさ、
水槽内の飼っている魚やエビ、水草はもちろんのこと、
ろ過の為のバクテリアも、また生えてくるコケも、
それどころか機材も込みで、
水槽は1つの生き物だと言ってもいいと思うわさ。
でもでも、機材って生き物じゃないよね?
確かに機材そのものは生きていない。
でもね、水槽という閉ざされた環境内で、
機材は自然のような役割を担っているんだわさ。
ライトは太陽の変わりに生体を照らし光合成をさせ、
ろ過は水質の浄化=バクテリアの繁殖を助ける。
エアーポンプは酸素の供給などを行ない、
様々な水流がよどみなく隅々まで行き渡らせる。
ふむん…そう考えると、
生き物ではないけれど生き物に関係してるのね、
でもそれってまるであの理論みたいよね
それってもしかして、
ガイア理論のことだわさかな?
それそれ
確かにある意味似てるわさね、
ガイア理論では地球全体で
あたかも1つの生き物のように機能している、
そういう理論だわさ。

あちしの言ってるのもまさにそういうこと、
水槽はそれに関わる全ての働き動いている、
まぎれもない1つの生命体だわさ。
そっか、水槽全体を育てる意識が大事なのね
それがまず1つね
ほへん?
まず1つってことはまだあるだすか?
ポケロ〜は生きているよね
なんだすか藪から棒に、
もちろん両生類としてがんばって生きてるだすよ
あちしも超絶美形として麗しく生きてるわさが…
あちしとポケロは同じかい?
かなりアバウトな質問ね、
生きてるかどうかとでは同じだすが、
違う生き物だとも言えるだすな…
水槽もそうだわさ。
ほうほう、というと?
水槽で生き物を育てている、
そういう意味では水槽はみんな同じだわさ。

でもね、生き物にはまったく同じものは存在しない、
同じ種類の生き物でも個体差は当然あるし、
元は同じ細胞から発生した同じ遺伝子を持つ、
一卵性双生児でさえ少しはちがうわさ。

水槽も同じ、それぞれの水槽がどこか違っている。
それはまるで一人一人の個性が違うかのようね
たしかにそうだすな。
だから水槽にとって一番大事なのは、
それぞれの水槽の個性を認めることだわさ。

水槽はそれぞれ違う、
だから違う正解もまた無限に存在する、
それを個性と認めるか、
あるいは在り得ないと否定するか、
それだけで随分世界が変わってくるわさね。
それにね、他人の水槽を知り受け入れることは、
いざトラブルがあった時にも役に立つことがあるわさ。
たしかに自分のとこと違うからと否定すると、
思い込みとかで知識が狭まって危ないかものう
もちろんそれとは別に、
一般的な見解とか理論とかも無視してはいけない、
りうかのように異端を名乗るならなおさらね。

一般論から目をそむけるのは簡単ね、自論だけを語り
他者を否定しさげすめば楽だものね…
でもね、それじゃ単に他者を否定しているだけ、
単なる一人よがりにすぎないだわさ。

自分らしくあること、それは大事なことだわさ。
でもそれを守るということは、
自分以外の個性も大事にするっていうことなのよ。
思い切り逆説的だわさがね
うむ…なんとなくわかったような…
判断するのはあくまで事実をもとにした冷静な知性、
想うは己が色を守りたい心とその現われ、
その現われが自分の水槽であり、
そして他の人の水槽でもあるだわさ。
なんかこうようわからんが…
自分があることは他人を認めるということなのかな?
まぁざっと感じだけわかればよしね。
答えもまた生き物の数だけある。
あるいは飼っている生体に想いをはせるのも
1つの方法かものう…
生体に想いを…

考えてみれば熱帯魚とかはなんでいるんだろう…
だってそうでしょ?ほかの所で生きていた…
それを捕まえてきたのは人じゃないだすか、
金魚とかなんか人の想いだけで改良されて…
他にも飼えなくなったからと河に逃がしたり、
好きじゃないからってゲジとかプラとか殺したり…
おらはどうすればいいんだろう…
難しいとこではあるわさね…キツイ言い様だすが、
ペットを飼うということには、
ある種のエゴを含んでいる行動だと思うわさ。
でもね、同時にその生き物への責任もあるんだわさ。

確かにいろんな生き物を捕まえて飼うことは、
必ずしも良いことではないのかも知れない。
でもね、飼ったからには最後まで責任をもたなくちゃね、

それに…皮肉だけれども、
もしかしたら彼らが生き残れる環境は、
人造の水槽の中にしかないのかも知れない…
もちろんそれも人の成した結果なのだけれども…

ただこれだけは言いたい、
水槽はそれそのものが1つの生き物、
言い換えるなら世界を作ることでもある、
だからこそ最後まで責任をもたねばならない。
全てをすくえるわけではないけれど、
手の届く範囲内で彼らをすくうことは惜しみたくない。
あちしはそう思うわさよ。
サギー…いろいろ考えていたのね…
そりゃそうね、いちおは講師任かされてるしね、
あとまぁ付け加えるならば、
さして高くもないし慣れれば難しくもないし効果は高い、
そんな底面ろ過を利用するのは悪くないかな。
砂利を観賞用の置物にするよりはいいと
あちしは思うぞい。
そっか…ねぇサギー…
最初に最後みたいなこと言ってたけれど…
そうね、少しあちしは旅に出るわさよ。
だから今回で底面ろ園も終了だわさ。
今回で6回、
まぁ底面の基本とかは叩きこんだつもりわさね。
あのね、普段かわいくない生き物は、
泣いてもたいていかわいくなんだわさよ、
だから泣くのはおよしなされ
だったらいかなきゃいいやん…
あちしにもあちしの事情があるわさよ…
だからまたあるまでしっかりがんばるわさよ…
サギー…
まぁあちしクラスになると、
泣いても美麗すぎてストーカー増量だけどね、
そういう人の心をわしづかみにしすぎて
旅立ちじゃまされてもなんだからのう…
まぁそんなとこね…
…戻ってくるよね?
…じゃあね
サギー!!
うっさいこのエロガエル!!泣きながら叫ぶなや!!!!!!!!
まったくそんなだからいい歳になっても
恋人もできないで自分で育てるんだわさよ…ってポケロっていったいいくつなん? カエル会からだと1年以上教えているが…ってそんなこと言ってどうするのよ!?!?!?!?!?
だいたいね、あちしはもう世界にモテモテなのよ!!世界中があちしを待ってるのよ!!!!薄汚いカエルの世話してる暇ないのよ!!アバヨー!!!!!!
…サギー
…だいなしやん
じゃ、そゆことで…
ホントにいっちゃった…
みなさん、今までありがとうございました。
なんかこんなふうに終わるとは思ってませんでしたが…
とりあえずの幕引きです。
サギーが何処いったのか謎ですが…
きっとそのうちまたひょっこり姿現す気もします。

とりあえずはしばらくのお別れということで…
ありがとう!
またね!!!!

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