
| その後、水槽はどうだわさ? |
| え?いや、なんとかやってるだすよ。 |
| それは何よりね。 |
| ねぇサギー…どった? なんか様子おかしいぞい |
| ふざけてないでちゃんと聞きなさい。 今日で、ろ園の講習は最後になるだわさよ… |
| え? |
| 今日は水槽において、 いや水槽家として何が一番大切なのか、 それを話していきます。 |
| それはいいけど… なんかいつものサギーらしくないだすよ… |
| いいから席につきなさい、 今日でこうやって教えるのも最後になるから… |
| … |
| 水槽家として何が一番大事なのだろう。 それが今回のテーマになります。 ポケロ〜は水槽にとって、何が一番大事だと思う? |
| やっぱタイプのカエルを育てることだすね〜♪ 周りがなんと言おうとおら色に染めちゃうだすよ〜♪♪ |
| ポケロ、真面目に答えてね。 |
| こんなのサギーじゃない!! |
| ポケロ… いつも真面目にやって欲しいって言ってたじゃない… |
| だって…わかんないだすよ… どうして最後みたいに言うだすか… いつもみたいに史上最低最悪の暴君面してくれなきゃ 調子狂いまくってしまうだすよ… |
| そんなふうに見てたのね…まぁよし、 それはそうと、さっきの答えは? |
| 大切なもの…テクニックだすか? |
| テクニックもあった方が良いけどね、 そういうのはやってれば身に付く経験に根ざしたものね、 それに実際には基本に忠実にやれば さして必要なテクなどありやしない。 さぁなんだと思う?泣かずに答えるべし |
| テクじゃないとしたら… よい機材を使うとか? |
| 確かに機材選びも重要な要素ね。 でもそれは個人の好みや水槽の状況にもよるから、 一概にも言えない部分ではある。 大事なのはある意味それも含んだことよね。 |
| とすると…なんだろ… |
| 少し質問かえようか。 ねぇ、水槽ってみんな同じだと思う? |
| う〜ん…いろいろじゃないの? |
| まさしくその通りね。 水槽の数だけ環境は違う、 同じ人が同じ様にやっても違ってくるものだわさ。 長い間水槽をやってきた人でも、 まったく同じ水槽を作り出すことは不可能だわさ。 じゃあなんでこういうことが起きると思うかな? |
| 難しいっすな…ちとようわからんが… |
| それはね、水槽が1つの生き物だから、 |
| 水槽が生き物? |
| そうだわさ、 水槽内の飼っている魚やエビ、水草はもちろんのこと、 ろ過の為のバクテリアも、また生えてくるコケも、 それどころか機材も込みで、 水槽は1つの生き物だと言ってもいいと思うわさ。 |
| でもでも、機材って生き物じゃないよね? |
| 確かに機材そのものは生きていない。 でもね、水槽という閉ざされた環境内で、 機材は自然のような役割を担っているんだわさ。 ライトは太陽の変わりに生体を照らし光合成をさせ、 ろ過は水質の浄化=バクテリアの繁殖を助ける。 エアーポンプは酸素の供給などを行ない、 様々な水流がよどみなく隅々まで行き渡らせる。 |
| ふむん…そう考えると、 生き物ではないけれど生き物に関係してるのね、 でもそれってまるであの理論みたいよね |
| それってもしかして、 ガイア理論のことだわさかな? |
| それそれ |
| 確かにある意味似てるわさね、 ガイア理論では地球全体で あたかも1つの生き物のように機能している、 そういう理論だわさ。 あちしの言ってるのもまさにそういうこと、 水槽はそれに関わる全ての働き動いている、 まぎれもない1つの生命体だわさ。 |
| そっか、水槽全体を育てる意識が大事なのね |
| それがまず1つね |
| ほへん? まず1つってことはまだあるだすか? |
| ポケロ〜は生きているよね |
| なんだすか藪から棒に、 もちろん両生類としてがんばって生きてるだすよ |
| あちしも超絶美形として麗しく生きてるわさが… あちしとポケロは同じかい? |
| かなりアバウトな質問ね、 生きてるかどうかとでは同じだすが、 違う生き物だとも言えるだすな… |
| 水槽もそうだわさ。 |
| ほうほう、というと? |
| 水槽で生き物を育てている、 そういう意味では水槽はみんな同じだわさ。 でもね、生き物にはまったく同じものは存在しない、 同じ種類の生き物でも個体差は当然あるし、 元は同じ細胞から発生した同じ遺伝子を持つ、 一卵性双生児でさえ少しはちがうわさ。 水槽も同じ、それぞれの水槽がどこか違っている。 それはまるで一人一人の個性が違うかのようね |
| たしかにそうだすな。 |
| だから水槽にとって一番大事なのは、 それぞれの水槽の個性を認めることだわさ。 水槽はそれぞれ違う、 だから違う正解もまた無限に存在する、 それを個性と認めるか、 あるいは在り得ないと否定するか、 それだけで随分世界が変わってくるわさね。 それにね、他人の水槽を知り受け入れることは、 いざトラブルがあった時にも役に立つことがあるわさ。 |
| たしかに自分のとこと違うからと否定すると、 思い込みとかで知識が狭まって危ないかものう |
| もちろんそれとは別に、 一般的な見解とか理論とかも無視してはいけない、 りうかのように異端を名乗るならなおさらね。 一般論から目をそむけるのは簡単ね、自論だけを語り 他者を否定しさげすめば楽だものね… でもね、それじゃ単に他者を否定しているだけ、 単なる一人よがりにすぎないだわさ。 自分らしくあること、それは大事なことだわさ。 でもそれを守るということは、 自分以外の個性も大事にするっていうことなのよ。 思い切り逆説的だわさがね |
| うむ…なんとなくわかったような… |
| 判断するのはあくまで事実をもとにした冷静な知性、 想うは己が色を守りたい心とその現われ、 その現われが自分の水槽であり、 そして他の人の水槽でもあるだわさ。 |
| なんかこうようわからんが… 自分があることは他人を認めるということなのかな? |
| まぁざっと感じだけわかればよしね。 答えもまた生き物の数だけある。 あるいは飼っている生体に想いをはせるのも 1つの方法かものう… |
| 生体に想いを… 考えてみれば熱帯魚とかはなんでいるんだろう… だってそうでしょ?ほかの所で生きていた… それを捕まえてきたのは人じゃないだすか、 金魚とかなんか人の想いだけで改良されて… 他にも飼えなくなったからと河に逃がしたり、 好きじゃないからってゲジとかプラとか殺したり… おらはどうすればいいんだろう… |
| 難しいとこではあるわさね…キツイ言い様だすが、 ペットを飼うということには、 ある種のエゴを含んでいる行動だと思うわさ。 でもね、同時にその生き物への責任もあるんだわさ。 確かにいろんな生き物を捕まえて飼うことは、 必ずしも良いことではないのかも知れない。 でもね、飼ったからには最後まで責任をもたなくちゃね、 それに…皮肉だけれども、 もしかしたら彼らが生き残れる環境は、 人造の水槽の中にしかないのかも知れない… もちろんそれも人の成した結果なのだけれども… ただこれだけは言いたい、 水槽はそれそのものが1つの生き物、 言い換えるなら世界を作ることでもある、 だからこそ最後まで責任をもたねばならない。 全てをすくえるわけではないけれど、 手の届く範囲内で彼らをすくうことは惜しみたくない。 あちしはそう思うわさよ。 |
| サギー…いろいろ考えていたのね… |
| そりゃそうね、いちおは講師任かされてるしね、 あとまぁ付け加えるならば、 さして高くもないし慣れれば難しくもないし効果は高い、 そんな底面ろ過を利用するのは悪くないかな。 砂利を観賞用の置物にするよりはいいと あちしは思うぞい。 |
| そっか…ねぇサギー… 最初に最後みたいなこと言ってたけれど… |
| そうね、少しあちしは旅に出るわさよ。 だから今回で底面ろ園も終了だわさ。 |
| … |
| 今回で6回、 まぁ底面の基本とかは叩きこんだつもりわさね。 |
| … |
| あのね、普段かわいくない生き物は、 泣いてもたいていかわいくなんだわさよ、 だから泣くのはおよしなされ |
| だったらいかなきゃいいやん… |
| あちしにもあちしの事情があるわさよ… だからまたあるまでしっかりがんばるわさよ… |
| サギー… |
| まぁあちしクラスになると、 泣いても美麗すぎてストーカー増量だけどね、 そういう人の心をわしづかみにしすぎて 旅立ちじゃまされてもなんだからのう… まぁそんなとこね… |
| …戻ってくるよね? |
| …じゃあね |
| … |
| … |
| … |
| … |
| … |
| … |
| … |
| … |
| … |
| … |
| … |
| … |
| … |
| … |
| … |
| サギー!! |
| うっさいこのエロガエル!!泣きながら叫ぶなや!!!!!!!! まったくそんなだからいい歳になっても 恋人もできないで自分で育てるんだわさよ…ってポケロっていったいいくつなん? カエル会からだと1年以上教えているが…ってそんなこと言ってどうするのよ!?!?!?!?!? だいたいね、あちしはもう世界にモテモテなのよ!!世界中があちしを待ってるのよ!!!!薄汚いカエルの世話してる暇ないのよ!!アバヨー!!!!!! |
| …サギー …だいなしやん |
| じゃ、そゆことで… |
| … |
| ホントにいっちゃった… |
| … |
| … |
| みなさん、今までありがとうございました。 なんかこんなふうに終わるとは思ってませんでしたが… とりあえずの幕引きです。 サギーが何処いったのか謎ですが… きっとそのうちまたひょっこり姿現す気もします。 とりあえずはしばらくのお別れということで… ありがとう! またね!!!! |
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