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////★ 【魔法の秘密通信】 第21号 2004/7/2
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★ __−ニ二三三
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ハリー・ポッターと魔法の秘密(kmy)
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│ ■目次
│ ・魔女のつぶやき
│ ・スネイプ先生のこと
│ ・編集後記
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魔┃女┃の┃
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つ┃ぶ┃や┃き┃
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――原書の悩み ネタばれ注意報が出ています――
7月に入り、まもなく原書6巻の発売です。5巻があまりに厚かったので、
読み終えるまでに非常に時間もかかり、ハリーがいらいらし悩んでいる様子を
かなりじっくり味わい、読んでいる間どんよりした気分が漂いました。6巻の
原書を購入される方はきっと今までにも増して増えているのではないかな、と
感じます。それに応じて気になるのが「ネタばれ」。読む人口が増えるにつれ
てその読み進めた内容を日記形式でお話される方、読み終えた方同士で交流す
る掲示板やブログも増えることでしょう。ネタばれであることを承知の上での
お話であれば、構わないと思いますが、途中で知りたくない出来事もあります。
わたしは重要なネタばれはやっぱり本の中で知りたいので、なるべくネタばれ
情報は見ないで読もうと思っております。なかなか英語が上達していませんの
で、大変申し訳ありませんが、ネタばれのメールやコメントはご遠慮ください
ますように、お願いしたします。
こちらからのネタばれにも十分配慮いたしますので、ご理解とご協力をお願い
いたします。
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★★ スネイプ先生を考える ★★
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スネイプ先生のこと、5巻を読んだ後から少しだけイメージが変わりました。
スネイプ先生と取り巻く人々の人間関係は複雑で微妙な感じを抱きます。3
巻で感じ取れる学生時代の出来事(暴れ柳と叫びの屋敷のエピソード)、4巻
で明らかになるシリウスから聞いた学生時代の話、5巻でハリーの閉心術訓練
中で垣間見えた少年時代の姿、ペンシーブに現われたスネイプ先生の最悪の記
憶……。スネイプ先生はマルフォイ親子のことをどう思っているのでしょうか。
このことはずっと気になっていました。
2巻でのドラコ・マルフォイとの会話は以下の通りです。
「校長に志願なさってはいかがですか?」
「これこれ、マルフォイ」スネイプ先生は薄い唇がほころぶのを押さえきれな
かった。
(2巻 P396)
さらに3巻では
スネイプのクラスでは、マルフォイはいつも、何をしてもお咎めなしだった。
(3巻 P162)
スネイプ先生の立場はあくまで騎士団側になると思います。そうなると死喰
い人に属するルシウス・マルフォイは敵ということになります。その敵の息子
であるドラコが自分の寮の学生であり、そして5巻では監督生です。スネイプ
先生はドラコを特に贔屓していますが、彼をお気に入りなのはどうしてなのか、
と気になるわけです。スネイプ先生はルシウスのことを敵だとは思っていない
のか、昔のよしみで彼のことは気に入っているのか、それとも、敵味方という
考えは別にして友好的なのか。――もしかして、友好的なのは「ふり」だけな
のか……。
なかなか思っていることを顔に出さないというのは難しいものです。思わず
顔がほころんだり、何をしてもお咎めなしのマルフォイの様子を見ていると、
スネイプ先生はマルフォイのことを好いている、と思えてしまうのです。そし
て、マルフォイ自身もスネイプ先生がダンブルドア側についているとは思って
いるのかいないのか、スネイプ先生に取り入るような態度をとっているのを見
ると、両者の間には心情的によい関係があるように感じられます。マルフォイ
がスネイプ先生を非難することはありませんし、スネイプ先生もマルフォイが
監督生になり、ハリーたちグリフィンドール生へ影響を及ぼすことを楽しんで
いるようにも感じられます
スネイプ先生は閉心術に長けているので、簡単に本心を出すことはないので
しょう。あくまでマルフォイ親子に対する態度は将来のヴォルデモート復活、
死喰い人の再結集に備えたときに、死喰い人側に信頼できる仲間であるという
印象を与えるためであり、その本心は騎士団への忠誠心、騎士団にとって欠か
せない役割(二重スパイ)を遂行するためであるのではないかと思います。ル
シウスもスネイプ先生が利用できると考えているらしいのと同様、スネイプ先
生はルシウスに「信頼にたる人物」であるということを印象付けているだけな
のかもしれません。
本当のところ、スネイプ先生はダンブルドアに忠誠を誓っていると思います。
そしてヴォルデモート側にはもう戻らないつもりでしょう。しかし、死喰い人
側の動きを知るためには死喰い人の仲間であるふりをしていたほうが得策です。
さらにいえば、死喰い人にとって重要人物だと思わせておかなくてはいけませ
ん。死喰い人にとってのスネイプ先生の顔は「ダンブルドアに信頼させて、騎
士団側の情報を引き出すスパイ」であり、騎士団にとっては「死喰い人を信用
させて騎士団に有利な情報を引き出すスパイ」なのではないかと思います。
スネイプ先生は死喰い人を信頼させるために、騎士団側と共謀して本物と思
わせる偽の情報を流さなくてはいけません。そのことの重要さを既にヴォルデ
モート失脚直前から任務として認識していたと思います。失脚後もダンブルド
アの元で働いているのは、実は死喰い人としての役立てる準備であった、と
ルシウスなどの残党に演技として見せていたのではないかと思います。本当は
信頼しているダンブルドアが窮地に立たされて「先生が校長に志願なさっては
?」と言われてまんざらでもなさそうな顔をしているのは実は演技で、本心を
隠し、十数年間ずっと「いつでも死喰い人に戻れる準備をしているというふり」
を続けていたのではないか、と思うようになりました。
その立場というのは非常に微妙で難しい役割であると感じます。ダンブルド
アが証言したように、もはや死喰い人ではない、という立場を見せながら死喰
い人が結集したときには重要な任務をこなせるという役割をずっと見せていな
くてはいけないのですから。
閉心術を身につけている先生は、死喰い人時代からずっとある意味「仮面」
をつけているように感じます。本当に信頼している人物はダンブルドアだけか
もしれないのです。だからといって、ダンブルドアに全幅の信頼を寄せている
という様子を見せてもいけないのです。そして4巻ラストでのダンブルドアの
意味深なことば。
「君に何を頼まねばならぬのか、もうわかっておろう。もし、準備ができてい
るなら……もし、やってくれるなら」
「大丈夫です」
スネイプはいつもより青ざめて見えた。冷たい暗い目が、不思議な光を放っ
ていた。
(4巻下 P542)
そして、5巻でのハリーとの会話。
「(前略)それに、闇の帝王が死喰い人たちに何を話しているのかを調べるの
は、おまえの役目ではない」
「ええ――それは先生の仕事でしょう?」ハリーは素早く切り返した。
そんなことを言うつもりはなかったのに、言葉が癇癪玉のように破裂した。
しばらくの間、二人は睨み合っていた。ハリーは間違いなく言いすぎだったと
思った。しかし、スネイプは、奇妙な、満足げだとさえ言える表情を浮かべて
答えた。
「そうだ、ポッター」スネイプの目がギラリと光った。「それは我輩の仕事が。
さあ、準備はいいか。もう一度やる」
(5巻下P269)
スネイプ先生は4巻で復活したヴォルデモートとの戦いのために、準備をし
てきたと思うのです。そのためにホグワーツで教鞭をとり、ルシウスのご機嫌
を伺い、ドラコを贔屓してきた……のではないかと思ってしまうのです。
また、スネイプ先生は死喰い人時代も表立って活動するというよりも、影で
任務についていたように思います。「死喰い人だと非難されたことはない」と
シリウスが言うように、死喰い人であることを死喰い人の仲間内にも騎士団ら
敵方にもあまり知られていない人物であったようです。だからこそ、有用に働
くことができる立場にあるのではないでしょうか。
「――我々は仲間の名前を全部知ることはありませんでした――全員を把握し
ているのはあの人だけでした――」
(4巻 P359)
「(前略)だが、わたしの知るかぎり、スネイプは『死喰い人』だと非難され
たことはない――それだからどうだと言うのではないが。『死喰い人』の多く
が一度も捕まっていないのだから。しかも、スネイプは、たしかに難を逃れる
だけの狡猾さを備えている」
(4巻下P225)
「それでも、ダンブルドアがスネイプを信用しているというのは事実だ。ほか
の者なら信用しない場合でもダンブルドアなら信用するということもわかって
いる。しかし、もしもスネイプがヴォルデモートのために働いたことがあるな
ら、ホグワーツで教えるのをダンブルドアが許すとはとても考えられない」
(4巻下P226)
「この評議会はスネイプを無罪とした」
クラウチが蔑むように言った。
「アルバス・ダンブルドアが保証人になっている」
(中略)
「セブルス・スネイプはたしかに『死喰い人』であったが、ヴォルデモートの
失脚より前に我らの側に戻り、自ら大きな危険を冒して我々の密偵になってく
れたのじゃ。いまや、わしが『死喰い人』ではないと同じように、スネイプも
『死喰い人』ではないぞ」
(4巻下P362)
そんなスネイプ先生の毎日は精神的に過酷なものだと感じます。唯一本当の
自分というのは、実はハリーを憎んでいるときなのでは、とわたしは思ってし
まいます。スネイプ先生はジェームズのことを憎んでいました。この憎み方と
いうのは一種独特です。嫌いで嫌いでたまらないから、自分がどんなに相手を
嫌っているかを確認したいから、だから余計に気にしているのです。そんなに
嫌な相手なら「相手にしなければいい」のに、わざわざ自分から相手の行動を
チェックしているのです。だからわざわざ暴れ柳に向かう四人の後をつけたり
するわけです。そしてちょっとでも付け入る隙を見つけては喜ぶ、そんな感じ
です。
そうして憎んでいた相手にはちょっと借りができてしまいました。狼人間に
襲われそうになったときに助けられてしまったのです。あんな憎らしい嫌なや
つに助けられてしまったのです。スネイプ少年はそのことをずっと気にしてい
たとわたしは思います。「どんなに嫌なやつか」を確認して、今日もあいつは
嫌味なやつだ、と思うことが一種の生きがいのようであったのに、相手にいい
ところを見せられてしまって、そのことを思うと、少しだけ憎しみの矛先が緩
んでしまいます。それは、ペンシーブでハリーがスネイプ先生の少年時代の最
悪の記憶を見たときと似ているように感じます。憎らしい相手なのに、ふと違
う感情を抱いてしまうような、そんな感じでしょうか。その借りを返して、ま
た心のそこからジェームズを憎みたかった、ように感じますが、残念ながら相
手は亡くなってしまいました。
「(前略)……この一年間、スネイプは君を守るために全力を尽くした。こ
れで父上と五分五分になると考えたのじゃ。そうすれば、心安らかに再び君の
父上の思い出を憎むことができる、とな……」
(1巻 P442)
そしてその息子ハリーが入学してきたときに、またハリーのことを憎みます。
この憎むという感情は、実はスネイプ先生にとってきわめて自然な感情なので
はないかと思ってしまうのです。普段は死喰い人とダンブルドアの間で均衡を
とりながら、自分を演出している毎日。ルシウスとの関係、他にまぎれている
死喰い人たちから見た立場、魔法省などの公的な面からみた立場。スネイプ先
生の毎日は「そのとき」に備えて、自分を演じているように感じるのです。そ
の毎日の中で、自分の唯一素直な感情を出せるのは「憎しみ」をハリーに向け
ているときだけなのかもしれません。ハリーをいじめて憎むときは偽りのない
姿なのかもしれない、と思ってしまいます。そしてまたどんなにハリーが嫌な
生徒で憎らしいかを確認するために、ハリーの行動をチェックしているのかも
しれません。嫌いで嫌いでたまらないから、ハリーが気になるのです。隙あれ
ば憎んでやろうと思っているように思います。そのために、全力を尽くしてハ
リーを守り借りを返したのはそのためであり、ダンブルドアの思っている通り
なのではないかと思います。心ゆくまで憎んでいる間は、本来の自分であると
唯一感じる時間なのかもしれません。
――ついでながら、ドラコを贔屓するのは実はハリーを憎むため、ハリーの
反応を楽しむため(マージおばさんに通じるようなもの?)で、実はドラコの
ことが気に入っているわけでもなんでもないとか……任務とも全く無関係だっ
たとしたら……。
どんな手段(ドラコ・マルフォイを贔屓して、監督生にしてまで)を使っても
(ハリーを憎み、嫌うという)目的遂げる狡猾さ
これがスネイプ先生なのかも、と思うわたしです。
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編┃集┃
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後┃記┃
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