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シリウスの死について  shotaさん (2004/10/16のメルマガより)
       
 

shotaさんより、シリウスの死についてのメールをいただきました。シリウスが最初死んでしまったとはハリーも読者も信じられなかったと思います。ルーピン、ダンブルドアがシリウスは死んでしまったというのですが、どうしてシリウスは死んでしまったのか、気になりませんか? 

★shotaさん
「シリウス=ブラックの死」についてです。
シリウスはベラトリックス=レストレンジの放った閃光がまっすぐ当たり命を落としました。
このところで私はひっかかりました。なぜ、シリウスだけが一発で死ぬだろうと。ムーディ、トンクス、キングズリーは倒れてはいましたが死にはしませんでした。ここで、鍵になりそうなのが閃光の色です。私は赤がシリウスを倒した閃光で、緑が失神光線だと思っています。
1つの考え方として、赤色の閃光は非常に強い魔法でムーディ、トンクス、キングズリーは緑色の失神光線など、赤色の閃光よりも弱いもので攻撃されたという考え方です。しかし、戦いの場でわざわざ強い呪文を出さずに弱い呪文で攻撃するでしょうか?(実際、失神呪文は使われているのですが。。)2つ目の考え方として、ベラトリックスが非常に強かった。という考え方です。あの戦いから考えると確かに、トンクスとキングズリーそしてシリウスを倒したので非常に強いという感じはしますが。しかし、シリウスも少しは余裕を持って戦っているという感じもあります。この考え方は非常に微妙ですが。なんか、よくわからないことになっているので、ここらへんでやめておきます(笑)
どうか、kmyさんの考えを聞かせてください。

★kmy
シリウスの死については、一つのヒントが「ベールの彼方に」に沈んだということです。

英語の"Beyond the Veil"という表現は、慣用句で「あの世に」ということを意味しています。そこから考えると、これはわたしの個人的な考えですが、あのアーチの向こうへ倒れたということであの世へ行ったということなのかな、と考えています。慣用句を象徴的に具体化した場所が、神秘部のアーチとベールなのかも。

閃光の光が赤ですが、こちらは単なる失神光線のようで、死の呪文アバダ・ケダブラは緑の閃光ですよね。だから、呪文に当たって死んだというよりは、あのベールをくぐったことに意味があるのかも、と思っています。ベールの場所に関しての説明がないので、次の巻で解説があるのかも、と思うのですが、確信はありません。あの場所では死者の声が聞こえたようで、死と深いつながりのある場所だということがルーピン以下騎士団の面々は分かっていたのかな、と。あの場所自体に潜んでいる意味が、この後に明らかにされるのではないかなとインタビューでも感じたのですが。(ローリング公式サイトで、「シリウスの死について」の質問ははぐらかされていましたから…生き返るということではないと思うのです)ベラトリックスが勝ったと感じたのは、ベールの場所のことが分かっていたからかも。だから、「どうすることもできない」とルーピンが言ったのかもしれません。あの場所をくぐることは不可能で、他の人がくぐって連れ戻すことも不可能という意味なのかな、と。ベールの向こう=あの世で、ベールの場所があの世への入り口なのかもしれません。

死が単に向こうへ行ってしまうだけ、ということを表現したかったのかな、と思うのですが、わたし自身も疑問がいくつも残ります。無実と判明したのか、死体はないのか、ベール場所に意味があるのか、それともベラトリックスの呪文の光線で死んだだけのか?と。確実なお答えではありませんが、わたしの考えていることを書きなぐらせていただきました。

★shotaさん
kmyさんの考えだと呪文で死んだのではなくあのベールをくぐったことが関係してるってことですよね。そして、次の巻で説明されるかもしれない。

この考えはうなずけました。次の巻で謎のベールを説明すれば辻褄が合います。次の巻でベールの事の説明がないと謎のままになりますが。

余談ですが、シリウスの死体が残っていないとは変だと思います。シリウスは呪文をくらった時ゆっくりと弧を描きながら倒れたので、ベールの向こうに完全に倒れることはないとおもいます。シリウスのすぐ後にベールがあったとしても、シリウスは足くらいはこちら側にあると思います。呪文で吹っ飛んだんなら話は別ですが、そう書いてありません。ここらへんが、絡んでくるとシリウスが実は生きてる可能性もまだありそうです。

しかし、とても矛盾しますが、シリウスが生きている可能性はないと思います。ローリングはシリウスを死なせたときにひどく悲しんだといいます。その気持ちが後のハリーのダンブルドアに対する行動に出てると思います。話を戻して、次の巻でベールの説明があると仮定すると、どのような説明になるでしょうか。まず大きな疑問は

1、あのベールの向こうへ行ってしまったら誰でも死ぬ。
2、あのベールの向こうへ行ってしまって死ぬのはある特定の人物(シリウス)

私は2だと思います。
ルーピンのハリーに言った言葉からは推測は出来ないと思います。しかし、謎に包まれてる神秘部から勝手な独自な考えで「謎→物事がなにかと複雑に絡んでくる。」なので、なにか死んだ理由があったのかと思います。そして、次の疑問(上記の質問が2だった場合)が特定の人物にだけある死んだ理由です。これは、無限に考えがありそうです。血の問題、過去の行動の問題、そのベールの向こうに行ってしまった理由や状況、(未来に起こる事によって)等まとまった意見でなくてすみません。

★kmy
shotaさんの指摘の通りですが、「5巻で登場人物が死ぬ」と作者が話してました。そのため、シリウスは死んだのだ、と判断していました。シリウスの死が不可解に思えるのは、その「死因」がわからないから、また死体がないからではないでしょうか。ハリーが最初にベールの向こうへ沈むシリウスを見たときに、彼が死んだとは思わなかったわけです。当然、ハリーの目線で本を読み進めている読者もシリウスが死んだとは思えないのですが、ルーピンやダンブルドアが「シリウスは死んだ」とものとみなして話をしているので、読者もシリウスは死んでしまったのだ、と思わざるを得ない……ですが、なぜ死んだのか、死んだあとシリウスの体はどうなってしまったのか、そのことについてハリーはダンブルドアに問わなかったというので、シリウスの死についてよくわからない、という気になってしまうのだと感じます。ハリー自身が最初に死んでいないと思ったように、光線は死の呪文や致命傷を与えるようなものではなかったように思います。では、シリウスはなぜ死んでしまったのでしょうか。(本当に死んでしまったのでしょうか)ここで整理をします。もし呪文に当たったことが死因だとすれば、赤の光線の呪文によって死んだということになります。

□赤(紅)の閃光呪文
エクスペリアームズ! 武器よ去れ (2-283)
麻痺せよ!(失神光線)(4上-200)

□銀色の閃光呪文
リクタスセンブラ! 笑い続けよ! (2-285) 

□緑色の閃光呪文
人を宙に浮かばせて操る呪文(4上-185)
爆弾の破裂するような音(4上-188)
モースモードル!(闇の印を出す呪文)(4上-198)
アバダ・ケダブラ(死の呪い)(4上-335)

□色不明
デンゾージオ! 歯呪い(4上-462)
ファーナンキュラス! 鼻呪い(4上-462)

確実に呪文で死に至るの死の呪いですが、こちらは緑の光線を放つので、やはり赤の光線で一番戦闘向きなのは失神光線のように感じます。この失神光線では死に至らないようです。死に至る赤の閃光の呪文でなくなったのか、それともベールの場所に意味があるのか……。ハリー自身はシリウスの死を悼み悲しんでいますが、なぜ死んでしまったのかシリウスはどうなってしまったのか、気にしているのでしょうか。「あのアーチを通っていったとき、シリウスは鏡を持っていなかったんだ。」(5巻下-679)と考えています。ハリー自身もあのアーチを通ったことで死んだと考えているではないか、と思えるのですが、いかがでしょうか。
 引き続き、メルマガ17号に寄せられた意見を紹介します。

メルマガ17号掲載意見とまとめ(2004/11/22発行分より)


★meiraさん
 まず思ったのは、「この書き方じゃシリウスは死んでない」でした。これは以前のメールでも書いたことなのですが、やっぱり死んでいる書き方じゃないと思ったんです。ちなみに普通のハリポファンの姉は「これは死体がないから死んでない」と乱暴なんだか核心をついてるんだか、という意見を言ってくれました。
 7巻通しての全体のストーリーの構成として、ここでシリウスが闇の陣営のせいで命を落とすというのは、話作りの点においてキーポイントとなり、良い設定だと思います。それまで、ハリーは、ヴォルデモートを自ら積極的に憎んだり攻撃したいとはあまり考えてなかったように思います。向こうが仕掛けてくるから、戦う羽目になってる、といったカンジが強かったかな、と。それが、ここでハリーが一番大事に思っている人物が、ヴォルデモートの手によって死ぬ。それによってハリーが戦う動機付けも強まって、このまま6巻7巻、そしてエンディングまでいいカンジに持っていけるかな、と。その考えを持ってみると、それまでの巻が独立性が高かったのに対して、5・6・7巻はそれぞれの巻同士がより密接した関係を持つ構成になってるのかも、とも思いました。そのために、5巻は説明不足の感が強く、全体的に平板な印象なのかも、とか。
 このストーリー構成という点で考えますと、ローリングが最初に7巻分のストーリーを立てた時点で、3巻で名付け親を登場させ、その人物が5巻で死ぬ、そしてハリーの戦いの動機付けがいっそう強まる、という風になってたのかな、とも思います。でも、それならもっとハッキリと死なせるべきだと思うんですよね。きちんと殺される現場を目撃して、死体に触れ、死んでいることをハリーに確認させるべきだと思うんです。 
 そうしなかったのは、ちょっとここがものすごく私の憶測になるのですが・・・(というか私の憶測の一つ、です)シリウスが5巻で死ぬことは、ストーリーの構成上必要なことなのだが、ローリングが話を描いているうちに、シリウスのことをとても好きになってしまい、殺すのは自分でも大変辛いし、殺さないですむ方法があるなら、そっちも考えたい、と思ったのかな、と。それで、とりあえず死ぬという本来の構成は変えないが、「完全な死」を描くのは避けて、どっちにも転べるようにしておいて、次巻を書くときにどうするか考えよう、と先延ばしにしてみた・・・とか。
 ローリングはキャラクターをとても大切に愛して描く作家ですよね。だからこそハリポにこれだけハマっているのですが。(キャラクターをコマとして描く作風のものは楽しむことはできるけど、好きにはなりません)キャラクターを愛しているから、バックグラウンドも広がってゆく。ハリポは成功してしまったので(申し訳ない書き方をしてしまいますが、ヘボくても売れる、ということで)、本来なら物語の構成や全体のバランスを見て、削除してしまうような脇キャラたちのバックグラウンドも出来るだけ入れようとしてますよね。濃厚なファンには嬉しいのですが、そこまでじゃない人には、巻を追うごとに、冗長な印象を与えているのでは、と思います。シリウスのことをこんなに描く必要も・・・本来はなかったと思います。
 日本語版の訳者あとがきに、ローリングは「彼を殺した時に悲しくて、泣いた」と書いてありましたが、まさか「実は生きているかも」なんて作り手側が匂わせるわけにはいきませんし、ある意味パフォーマンスの可能性もありますが、実際「死んでしまった」気分で書いていたから、感情が高まったから、という見方も。今回のメルマガで、「ローリング公式HPでは、シリウスの死についての質問ははぐらかされていた」と書いてありましたが、(内容見てないのでわからないのですが。ハリポは日本語版と原書と映画、そしてkmy様のメルマガしか自分から目にしてないです・・・つくづくポッタリアンではないです)、死んでるんだったら、はぐらかす必要もないと思うのですが・・・。
 でも、「やっぱり最初の設定から、この場面でシリウスは死んでない」とする考えも、やっぱり捨てられないのですが。

★kmy
 シリウスが死んだということについて、セドリックのように明らかに死の呪文で亡くなったのであれば、死の呪文が当たったようだとハリーにもわかるように書くのではないかとわたしも思いました。そうではなく、呪文が当たって倒れたということなので、誰も近寄らないのはなぜなのか、光線が当たったからなくなったのか……。読者としても死んでしまったといわれても納得できないような、そんな印象でした。

前号で触れました公式サイトでの発言ですが、引用しますと、
「シリウスのことは本当にショックで……」
「あ、その話はだめです。あとにしましょう。もうばれているという気もしますが、とにかくあとで。」(04/8/15 エジンバラ・ブック・フェスティバル より)
http://www.jkrowling.com    日本語の記事より抜粋

 上記になります。この感じではなんだかシリウスが生きているようにもわたしは感じてしまいました。本当のところ、何がばれている気がしているのかは分かりませんが……。


★Midoriさん
 シリウスについては、私もいろいろ考えました。今まではあまり好きではなく、荒々しいところが苦手だったのですが、5巻を読んで好きになりました。屋敷に閉じ込められて、クリーチャーやお母さんの肖像画と暮らしているシリウスはとても気の毒でした。
 私は、シリウスは死んだとは思っていません。もしくは死んだという状態になっていても、また戻ってくると思います。死んでいてほしくないと私が思ってるからかもしれませんが。
 まずその理由は、べールの彼方に沈んだという死に方です。シリウスが死んだとして、なぜローリングさんはこんなにあいまいな書き方をしたのでしょう? 死体も残らない、どうなったかも分からない書き方を。ただ死ぬのであれば、アバダケダブラの呪文で死んだセドリックのように書けばよかったと思います。そうすれば、死んだ事は確実で死体も残ります。ベールの彼方にという消え方は、絶対何か意味があるはずです!!
 「スネイプが命がけで騎士団の仕事をやっているのに、自分はのうのうと暮らしている」みたいな事をシリウスが言ってました。そしてシリウスは魔法省に追いかけられています。ここからは、私の勝手な推測ですが、シリウスは何らかの任務でベールの彼方へ行ったのではないでしょうか? ベールの向こうなら魔法省の追いかけられないし、危険であってもシリウスなら行くと思います。

★kmy
 Midoriさんのお話にあるように、シリウスの死は何か意味がありそうに思えます。あのベールの向こうという場所が何か特別な場所のように感じることと、シリウスがいったいどうなったのかわからないということで、よりいっそう気になる場面になっていると思うのです。


★梨沙さん
 私はシリウスの死についてこういう考えを持っています。シリウスは、ハリーの事を目に入れても痛くないくらい可愛がっていた。それは(3−565−12行目)色々な場面でもよーく分かる。だから、もしかしたら、もしかすると、シリウスは戻ってくるんじゃないか。ニコラス・ド・ミムジー・ポーピントン郷の様に、魔法界に残る事を選ぶんじゃないか?だって、シリウスは「ハリーと暮らしたい」(5−上下)何回も話していたし。死後、無実が明かされたりする事は、ゲンジツの世界でも有り得ることだし。漏れ鍋etc...で暮らすかも知れないのでは???
 けれど、J・K・ローリングさんが“5巻では(中略)死ぬ”と話していたことから戻って来ないかもしれない。そういう、中間型の考えです。

★kmy
 シリウス自身はゴーストにはならなそうな気がしますが、ハリーを思う気持ちが強かったことを考えると、梨沙さんのような考えも出てくると思います。読んでいて、ゴーストでもいいから戻って来て欲しいというハリーの気持ちを思い起こしました。


★ミドルさん
 結論から言って、私は、シリウスは死んでいないと思っています。何故そう思うかの一番の原因は、シリウスが消えたのが『あの部屋』だからです。これは私だけでなく、沢山の人がそう思っていることと思います。もし、仮に別の部屋であの悲劇が起こっていれば、誰しも死を悟ったでしょう。あの部屋に最初に入ったとき、DA軍団の個々の反応がとても気にかかります。

■ハリー
興味津々。ハーマイオニーが止めるのを聞かず奥へ、下へ進み、アーチのベールの向こうに人の気配を感じる。ベールの向こうから洩れ聴こえる声を聞く。今にも崩れかかったアーチを、何故か美しく感じる。アーチをくぐりたい衝動に駆られる。揺れ続けるベールを催眠術にかかったように見つめる。
    
■ロン
何も感じていない様子。
 
■ハーマイオニー
危険を感じる。奥へ行くハリーを何度も呼び止める。『なんだか変だわ』と発言。部屋を出てからも、『わからないけど、いずれにせよ、危険だったわ』と発言。 ■ルーナ
ハリーに続き、ベールの向こうから洩れ聴こえる声を聞く。ベールを見つめながら『あそこに人がいるんだ』と発言。 ■ネビル
台座の裏側でベールを見つめ、恍惚状態(発言は無し)。

■ジニー
ネビルと共に台座の裏側でベールを見つめ、恍惚状態(発言は無し)。

   
 何度読んでも引っかかるのは、やはりDA軍団メンバーの反応に、あまりにも違いがありすぎることでした。声を聞く者、危険を感じる者、アーチをくぐりたいと思う者、我を忘れ恍惚状態でアーチを見つめる者、そして何も感じない者。このバラつきはいったい何を意味しているのでしょうか?? あの部屋の正体を分析したいと思うとき、鍵になる部分がここではないでしょ
うか。
  
1)何故、ベールの向こうからの声が聴こえたのはハリーとルーナの2人だけなのか?
2)何故、ハリーだけがくぐりたい衝動に駆られたのか?
3)何故、ハリー、ネビル、ジニーの3人だけ恍惚状態でアーチを見つめていたのか?
4)何故、ハーマイオニーだけが危険と感じたのか?
5)何故、ロンは何も感じなかったのか?

 反応が同じ者は何か共通点があるのではと思ったのですが、まだ少ししか解りません。声を聴いたハリーとルーナの2人にはセストラルが見えるように、死を目撃したことがある。では、ネビルには声が聴こえたのか?彼はあの部屋では一切発言していないので、知るよしもありません。ネビルとジニーは恍惚状態でしたが、二人の間には共通点は皆無かと思われます。ロンが何も感じなかったのは、6人の中で一番幸せな人だからかな??なんて思いました。両親を殺され、セト゛リックの死を見たハリー、親を亡くしたルーナ、両親が不治の魔法疾患で入院中のネビル、トム・リドルに殺されそうになったジニーに比べたら、ロンは暖かい家族に恵まれ幸せすぎる気がします。ハーマイオニーの反応は彼女らしいと言うか、理性を抑えて冷静に対応しそうなので、本当のところどう思っていたのかよく解らないですよね。もっと考えてみたいです。

★kmy
 ベールの部屋での各人の反応というのは、死との関わり方とも関係があるのではないか、と思います。ハリーとルナは共に親を亡くしているので、声は関わりの深い故人ではないか、と感じられます。恍惚状態、くぐりたい衝動にも意味があると感じます。死が怖いもの、不可解なものとはちょっと違うような印象を受けました。むしろ、逆のように感じられましたが、ミドルさんのお話にあるように、ロンは死から遠いイメージがあります。

★nayaさん
 シリウスの死についてはすごく私もショックをうけました。で、私の考えなのですが、シリウスの死の原因はやっぱりあのベールをくぐったことに関係があると私は考えています。赤い光線はどう考えても死の呪文ではないので、多分失神光線でしょう。だけれど、その一発でシリウスが死ぬことはありえないと思います。マクゴナガル先生は4発もあたったのに死んではいません。(5下 481)ましてや、マクゴナガル先生より年の若いシリウスが1発で死ぬことはありえないでしょう。やはり、あのベールが関係してくると思います。それに、魔法省でダンブルドアがファッジ大臣に言った言葉。

「コーネリウス、下の神秘部に行けば―」「―脱獄した死食い人が何人か、『死の間』に拘束されてるのがわかるじゃろう。『姿くらまし防止呪文』で縛ってある。大臣がどうなさるのか、処分を待っておる」(5下 615〜616)

というところからして、あそこのベールはやはりあの世に続いているのではないでしょうか?? 死の間、と呼ばれているところからして・・・・。
 というのが私の意見です。

★kmy
 「死の間」と呼ばれていたことをnayaさんのご意見で改めて確認しました。詳細に文章を確認してくださいまして、ありがとうございます!ベールの部屋はやはり死と深いつながりがあるという様子を感じさせます。それ故にさらに謎が深まっていくように思います。ベールの部屋は死とどのようなつながりがあるのか……。ミドルさんのご意見と関連があるように思います。ベールをくぐったことは死と関わりがあるのかどうかもまだわかりません。今後の展開が気になります。


★ミミズさん
 私はシリウスは死んだと思います。それは悲しいことだけど、受け入れなければいけない現実なはずです。私が皆さんの意見を読みながらシリウスの死因を考えているとき、必ず思うのはべラトリックスとシリウスの関係です。二人は遠い親戚だったわけですよね。だからべラトリックスがやった呪文も何らかの効果で強くなったって事ありえませんか? ハリーとヴォルデモートが戦ったとき(四巻)も不思議な現象がおきましたし・・・。(兄弟羽の杖)でも私は、シリウスが呪文のせいで死んだとは思っていません。あの赤い光線はシリウスをヴェールに落とすために使ったんじゃないでしょうか? 私はあくまでヴェールに落ちたから死んだと思っています。わ、私、なんか変な事いってますね・・・。私が一番期待を持っているのは、あの両面鏡です。灯消しライターのようにまた出てきて欲しいです。なーんて。変な文ですみません。しかもめっちゃ個人的&不正確な意見です・・・まだ三回くらいしか読んでないので読み浅いとこありありがみえみえです。

★kmy
 呪文についてのご意見、ありがとうございます。ベールの向こうへ行くことが死であることをベラトリックスが認識していたなら、あちら側へ落とすために失神光線を使った(次のバレリーさんの呪文についての指摘はひとまずおいておきますが)ということもありえるのではないかと感じました。受け入れなければならない現実、というご意見を読ませていただいて、ハリーも読者もその現実をどう捉えるかということに現在苦悩していうように思えます。両面鏡については、まだ何か役割がありそうに思っています。わたし自身も、両面鏡から何かを得たいような、そんな気がしています。

★トキメキぼーいさん
 「騎士団」上巻184ページ、シリウスの発言より
 (レギュラスは)死んでからわかったことだが・・・
「騎士団」下巻687ページ、ルーナ・ラブグッドの発言より
 それに、二度とママに会えないっていうわけじゃないもン。ね?

 2人のこの発言から私は魔法界には、死んだ人と再会する何らかの方法があると考えます。だから私はハリーは第6巻でシリウスと再会して、シリウスがどのようにして死んだのか、今どんな気持ちなのか本人から直接に真相などの説明を受けることになると思います。それと、死んだ人との再会が可能ということになれば、ハリーは両親との再会もできるのではないでしょうか?聞きたいことが沢山ありますよね?
 まずお母さんにはどうしてあんなに嫌っていたジェームスと結婚したのか、どのような経緯で結婚したのか聞きたいでしょう。次にお父さんには「退屈だ」というだけで、どうしてスネイプをいじめたりしたのか、それとL.Eはなんの略字なのか聞きたいでしょう。

1、あのベールの向こうへ行ってしまったら誰でも死ぬ。
2、あのベールの向こうへ行ってしまって死ぬのはある特定の人物(シリウス)

私は1だと思います。つまり他の人たちはベールの向こうに行かないように注意していたのに、シリウスはうっかり行ってしまった。だから死んだのだと思います。それとシリウス以外の人たちが死ななかったのは死喰い人たちがヴォルデモートから「予言を手に入れるまでは誰も殺すな」と命じられていたからだと思います。

★kmy
 魔法界では死んだ人と再会が可能というのは興味深い意見です。「どんな呪文をもってしても、死者を呼び覚ますことはできぬ」(4巻下P517)とダンブルドアが語っていたので、もし方法があるとすれば、特殊な状況ではないかと思われます。L.Eの略字については、ハリーは後で思い当たって気がついたのではないかな、と思います。そういえば、って感じでしょうか。ベールの向こうに行かないようにと考えていたとしたら、やはり、あの場所の詳しい説明が続巻であるのではないか、と感じています。

★バレリーさん
 シリウスを倒した光線は赤だったのですか?図書館で借りてきて読んだので、日本語版はもう手元にないのですが、英語版を見る限り、はっきり書いてないように思うのです。最初に赤い光線がはずれ、「今度はもっとしっかりあててみろ」と言ったシリウスに、セカンドライトがあたった。果たして、セカンドライトは最初の光線と当然に同じ色なのでしょうか。普通に考えれば、もし色が違うのであれば”今度は緑色の光線が・・・”と書いてありそうなものなので、やはり赤だったのかな、という感じはします。でも・・・・です。
 ヴェールの向こうに行ったシリウスはやはり死んだのでしょう。それもただヴェールをくぐったから死んだのではなく、死因があっての結果だったのだと思います。死因がない人がヴェールをくぐろうとしたら、結界か何かに阻まれて通れないんじゃないでしょうか。 ヴェールをくぐった人が、声が聞こえるなど、その気配を感じさせながら、戻って来れないように、生きている人は、ヴェールをくぐってあちらの世界には行けないんじゃないでしょうか。

★kmy
 いつも丁寧に読み解かれているバレリーさんのご意見、お聞かせくださってありがとうございます!ご指摘の通り、確かに二番目の閃光については色が描かれていませんでした。そうなると、呪文の威力でなくなったという可能性もでてきますよね。呪文が当たったときには目が大きく見開いていたという描写もありますから。死に至る原因のあるものだけがベールをくぐるというご意見は、前回のshotaさんのご意見と重なるところがる思います。ベールの向こう側という場所は本当にどうなっているのか気になります。


★ちゃばさん
 シリウスが死んだのはベラの閃光によってではないと思います。やはりあのベールを突き抜けたことだと思います。あのベールは謎ですが騎士団や死喰い人達は正体を知っていると思います。ルーピンは「行ってしまった、もう遅い」と言いましたし、ダンブルドアも死んだと言っているのでやはり逝ってしまったと思います。
 ただ気になるのは、あの時シリウスは明らかにベラを煽っていた事です。あの煽り台詞を言ってる間にベラに呪文を唱えられた筈です。そしたらあのベールを突き抜けることはなかった筈なのです…。そもそもシリウスは魔法省に追われてたからこそあの屋敷に閉じこもっていたのだから、魔法省の中に乗り込んでいくのは自殺行為です。(もちろんハリーが神秘部に行くとなれば死喰い人、最悪はヴォルデモートその人と向き合う、そんなのを黙っていられるシリウスではないですけれど…)しかもルーピン、トンクスはともかくムーディやキングズリーがよく連れてきたなぁと思いました。
 シリウスは自ら選んだのでは…
 そして同行の騎士団も語らずともその意志を感じたのでは…
 シリウスは騎士団の役に立てない事、特にハリーの力になれない事で苦しんでました。ハリーと会う事はもちろん、話す事も難しい状況…ハリーとシリウスが話す機会を作るにはハリーが危険を冒す事になりますし、シリウスがあげた鏡もハリーは使わなかった。シリウスを危険な目に遭わせたくないと思ったハリーの心もきっとシリウスは解ったに違いないです。シリウスは辛かったと思います。ハリーを助けたい、力になりたいのになす術がない…。
 そうして選んだ道なのではないかと思うのです。
 リリーがハリーをまもったような犠牲、護り、ではないかと。(リリーは意図せずだったですが)もちろんシリウスは血縁ではないけれど、ハリーの名付け親であり後見人です。
 そのあとアトリウムでヴォルデモートがハリーの体を使った時、ハリーがシリウスを想ったときに熱い感情が溢れヴォルデモートがハリーの体から去りました。シリウスの護りだと思わずにはいられませんでした。
 私の考えではシリウスはやはり逝ってしまったと思います。ですがまた会えるような話せるような気がします。ルーナが最後に「お母さんに会えない訳じゃない」って言ってたし、ルーナはベールの事も知ってるようですし。

★kmy
 シリウスがハリーを想う気持ち、とても強かったと思います。ちゃばさんのお話にあるように、シリウスの存在はハリーにとって(たとえ亡くなったとしても)大きな力になるように思います。ルーナはお母さんが亡くなって、そのことを受け止めて生きているんだ、と感じました。わたし自身はシリウスは逝ってしまったと思うのですが、まだ受け止めているとは言いがたいかもしれません。そしてきっとハリーもそうなのかもしれないけれど、いつかはルーナのような気持ちになるのかもしれない、と感じています。


★みちえさん
さて、シリウスの死についてですが、やっぱりほかの方の意見を伺うのは面白いですね。新しい視点が開かれます。
 シリウスはベラトリックスの光線によって死んだのか?shotaさんがおっしゃるとおり、戦場でわざわざ弱い光線を出すはずがないですよね。騎士団の人道的な人だったら、剣劇の「みねうち」ではないですが、失神させるだけにしようという人もいるかもしれませんが、デスイーターが相手を殺さずに失神させるだけにしようなんて考えるはずがありません。やっぱり必殺の光線なのでしょう。とすれば、ある人は気を失うだけで、ある人は死ぬのは、それは光線(呪文)を出した魔法使いの力の差と考えられます。あるいは、「うちどころが悪かった」というのもあるかもしれません。シリウスは初めはベラトリックスの光線をかわしていますが、このときは光線が彼の胸を直撃していますよね。
 呪文と閃光の色の関係についてまとめていらっしゃったのも、興味深かったです。ざっと5巻目を通すのもたいへんだったでしょう。あるいは日ごろから気をつけて読んでいらっしゃったのでしょうか。
 この研究からすると、ベラトリックスの呪文は死の呪文アバダ・ケダブラではなく、失神光線なのでしょうね。アバダ・ケダブラはたいへん高度な呪文で、ヴォルデモートのような力のある魔法使いしか習得できないのかもしれません。たぶんダンブルドアも使えるのでしょうが、人格の高い人なので使わないでいるだけなのでしょう。
 わたしも、kmyさんのご意見と同様、ベールの向こうに行ってしまったという
のが重要な意味を持つと思います。やっぱり、「ベールの向こう側に行くこと」=「死ぬこと」なのだと思います。
 わたしはこれはローリング女史の気遣いなのではないかという気がします。4巻で初めて死というものが直接的に(ハリーの両親の死のように回想としてではなく)描かれたわけですが、セドリックの死はあまりにも残酷で衝撃的すぎました。その後の血や痛みをたっぷりと伴う儀式など、わたしは4巻の最後の部分は残酷で血みどろであまり好きではありません。たぶん、同じような印象をたくさんの年若い読者のみなさんも持ったと思います。たぶん、5巻ではこのへんを反映して、著者は死の描写をもっとやわらかいものにしたのではないかという気がします。
 特に、年若い読者の中には死というものを体験したことのない人も多いでしょうし、実感として理解している人は少ないと思います。(わたしもこの年になっても、あまり実感としてつかめていませんが)そこで、死=もう2度と帰ってこられないところに行ってしまうこと、もうその人には2度と会えないこと、という描き方にしたのではないかと思うのです。
 シリウスの死体が残らないのもそういう意味があるように思います。向こうの世界に行ってしまって、この世から姿を消すということをより象徴的に表したかったのではないでしょうか。4巻ではハリーがセドリックの死体を持って帰ってきますが、これはちょっと生々しい死という感じがします。
 わたしとしては、5巻での死の扱い方のほうがずっと好ましく思います。たぶん、この先もハリー対ヴォルデモートという戦いは続くのでしょうが、この戦いの中で、呪文の光線を受けて敵味方がばたばた倒れ、そこには生気のない亡骸が残るだけというようなテレビゲームのような死は見たくないですよね。
 わたしの個人的な体験からも、やはり死というのは、その人にもう2度と会えなくなることというのが、一番実感に近いような気がします。

★kmy
 みちえさんのお話はとても感慨深いものがありました。もう2度とその人に会えなくなることということを描きたかったのかもしれない、とみちえさんの意見を聞かせていただいてから、改めてシリウスの死を感じました。もう、シリウスがハーマイオニーの心配するような行動を取ることもないのだけど、今度の夏休みにはシリウスからケーキが届くことはないんだ、ふくろう便も来ないんだ、ハリーとシリウスが今までのように出会うこともないのだと思うと涙が出そうになりました。ああ、彼は逝ってしまったんだって……。ただ、他の人物の死と違い、おそらくシリウスのことは今後もなんらかの形で触れられていくとは思いますが……。続巻でのハリーのことが気になります。

シリウスの死 まとめとして(kmy)           
読者それぞれに、この場面への受け止め方は様々です。完全に場面の状況が解決されたということはありませんが、現在までに考えられることを管理人なりにまとめてみました。どうぞ、もうしばらくお付き合いください。        

■シリウスは死んでしまったの? それとも?
 まず、シリウスが死んでいない気がする、という意見を、meiraさん、梨沙さん、ミドルさん、Midoriさんから頂いています。光線が一発当たって倒れただけにも感じられる場面なので、なぜ死んでしまったのか、どうしてなのか……その死因がとにかく気になります。meiraさんのお話にあるように、死体をハリー自身が確認している訳ではないので、読者としても本当なのか?と疑問を抱いてしまいます。ハリーもベールの向こうに行ってしまったときには「向こう側へ言っただけじゃないか?」(5巻下P598)と死んだとは思っていません。ルーピンやダンブルドアが繰り返し死んだと強調することで、ハリー自身が納得できるものでしょうか。シリウスは死んでしまったとダンブルドアらが言うのは、ハリーと違って、死んでしまった理由を明確に説明できるような死因があったからだと思います。しかしながら、その理由については語られていないため、読者も「死んでいない」ような気がするのでしょう。もしかしたら、ご意見にあるような、後で出てくる可能性もあるのかもしれません。作者のインタビュー記事の意味も、気になります。最終巻を読むまではわかりませんが、現時点ではシリウスは(どこかに)行ってしまって、今までのような形ではシリウスに会うことはなく、そしてきっと便りを出すことができない場所にいるということだけは感じます。

■閃光とベールの部屋
 シリウスの死の直接の原因が実際のところはなんだったのか明確にはわかりません。前号で閃光とベールについて少々のまとめをしておきましたが、丁寧に読み解かれた意見をいただいて、さらに考えが広がりました。まず、閃光についてですが、バレリーさんの指摘の通り、はっきりと「赤」と書かれているのではなく、「第二の閃光がまっすぐ胸に当たった。」(5巻下P597)とあるのみです。閃光はもしかしたら緑色だったのかもしれません。そうであれば、「死の呪文」であり、衝撃で目が大きく見開かれていたと続く時点ですでに事切れていたのかも……。しかしながら、ベールの部屋は「死の間」と呼ばれています(nayaさんがご指摘くださいました)。だから死とつながりの深い部屋であり、あのベールの向こうは「あの世」につながるっているのではないか、ということを感じます。前号のshotaさんの意見にもありましたが、あのベールをくぐると誰でもあの世へ行く(死んでしまう)のか、それともベールをくぐるのは特定の人物なのかは今のところわかりません。ミドルさんからのお話にあるように、「死の間」でのDAメンバーの反応も、意味があるのではないかと思われます。確かなことではありませんが、親を亡くしたハリーとルナに共通点が見られるように思います。くぐりたい衝動はハリーが両親に会いたいと いう願いなのでしょうか。
また部屋は「死の間」という象徴的な場所であるため、余計に謎が深まります。「死の間」のベールをくぐったから死んでしまったのか、それとも死の理由は閃光にあったのか、さらには死の理由があるもののみがベールをくぐるのか。「死の間」での出来事はあまりににも考えさせられることが多くて、あの場面の状況の受け止め方は読者の数だけあると言ってもよいかもしれません。ひとつだけ確かなことは、シリウスはベールを突き抜けて別の場所に行ってしまったのだということです。
 「死の間」とはどういう場所なのか、そしてシリウスがベールを突き抜けた先はどうなったのか、続巻での説明が待たれる謎のひとつです。

■シリーズにとって「死」とは
 これだけ読者の方も疑問を感じたりするというのには、シリウスが本の人物としてハリーにとって大切であり、読者にとっても大切な人だと思うからこそなのではないかと思います。だからこそ、シリウスが本当に死んでしまったとしたら、そのことをはっきり感じ取るまでは信じられないというのが、ハリーにも読者にも共通なのだと思いました。しかし、死の実感というのはどこから得られるものなのでしょう? 遺体を確認したら、「死んでしまったんだ」と即座に納得できるものなのでしょうか。そうではないのかもしれません。ハリーは遺体を確認していません。死体に触れれば生物的に「生きていない」という実感は得られるかもしれません。だから、そうした場面が描かれることにより「だから死んでいるのです」という語りかけにはなるのでしょうが、自分にとって本当に大切な人の死を受け入れるというのは「生きていない」ことを確認することだけで終わるのではないということを感じました。ハリーはシリウスの死についていろいろ考えている様子が伺えます。両面鏡を覗いて見たときには死んでいるか生きているか確認したい、というようりもとにかくシリウスを話したいという様子に感じました。ニックとの対話でも、ハリーの目の前に現われ、そして話をすることができればと思う様子は死んでしまったことを確認したいというのではなく、「会いたい」という願いを感じました。もう本当に会えないのか、話をすることはできないのか、ということをハリー自身が確かめてながら、だんだんとシリウスの死を受け入れていくようにわたしは感じました。みちえさんのご意見にありましたように、「死は二度と会えなくなること」であり、即座に実感できるものではなく、故人を思いながら徐々に感じていくものだと思いました。そして、故人を思う気持ち、故人が自分を思っていてくれた気持ちは生きていくときに、力となるのだと感じています。  シリーズで死(者)に関して語られている部分を振りかえってみます。

「結局、きちんと整理された心を持つものにとっては、死は次の大いなる冒険にすぎないのじゃ。」(ダンブルドア、1巻 P438)「……たとえ愛したその人がいなくなっても、永久に愛されたものを守る力になるのじゃ」(ダンブルドア、1巻 P440)

「愛する人が死んだとき、その人は永遠に我々のそばを離れると、そう思うかね?大変な状況にあるとき、いつにも増して鮮明に、その人のことを思い出しはせんかね? 君の父君は君の中に生きておられるのじゃ、ハリー。」(ダンブルドア、3巻 P558)

「みんな、見えないところに隠れているだけなんだ。それだけだよ」(ルーナ、5巻下 P687)


「死」について考えるとハリーたちの対極にいるヴォルデモートと死の関係も想起されます。ヴォルデモート自身は死から逃れたいと思う一方、自分自身以外の人間の死をとても軽く考えているように感じられます。
「俺様の目指すものを知っておろう――死の克服だ」(4巻 下P453)
(また名前のVoldemortはフランス語でvol de mort=「死を奪う」という意味になるという説もあります)
 ヴォルデモートは自身の目的のためならば、誰彼構わず死の呪文を用い、実の父親や祖父母でさえも殺しました。逆に自分自身は不死を願い、様々な実験を重ねて霊魂のような状態で生きながらえ、そして復活を遂げました。そんなヴォルデモートは誰か大切に思う人の死を経験してその死を実感して受け入れるという経験がないと思います。(実母への思慕は感じられますが、ヴォルデモートが本当に愛情を受けて、自身も大切に思う人が死に、そしてそれを実感・認識することは今までになかったと思います)ヴォルデモートは死んだらすべて終わりだと思っているように感じます。死以上に恐ろしいものはなく、死んでしまったら何もできないと感じているのではないでしょうか。ヴォルデモートは自身の死は受け入れることができずにいる者です。逆に、たとえ死んでしまったとしても、自分を守っていてくれている力があるということをハリーは今まで以上に感じるかもしれません。また、ヴォルデモートとハリーとの相違についてダンブルドアが次のように語っていることも思い起こさせました。

(前略)「……その中には、死よりも不可思議で同時に死よりも恐ろしい力が、人の叡智よりも自然の力よりもすばらしく、恐ろしい力が入っている……(中略)その部屋の中に収められている力こそ、きみが大量に所持しており、ヴォルデモートにはまったくないものなのじゃ。」
(ダンブルドア、5巻 P656)
「ヴォルデモートに理解できないことがあるとすれば、それは愛じゃ」
(ダンブルドア、1巻 P440)

ヴォルデモートは「誰かを想うこと」をしたことがないのでしょう。そしてヴォルデモートのことを想ってくれた人もいないのでしょう。
 自身にとって大切な人が亡くなったとき、どう受け入れて生きていくのか、ハリーはまさにその途中でまだ戸惑っている状態だと思いますし、そして読者も同様なのかもしれません。死はその故人が生きていたことを全くの無にすることではなく、生きている人間への力ともなり、そして永遠に離れてしまうわけではないということだということをこれまでに語られていることから感じます。ハリーはシリウスの死によって、ダンブルドアの語ったことを実感していくのではないでしょうか
更にメルマガ発行後のみなさまからのご意見

メルマガ17号を受けて、追記で頂いた意見を紹介します。

★うへはらさん
 シリウスの死について、いろいろここで読んで考えています。私としては「死んでしまった」と思っています。「ベールの向こう」に行くというのが「死」についての表現方法としてあるとお読みして、特に納得しました。この「ベールの向こう側」という考え方は赤毛のアンの作者モンゴメリーの他作品「可愛いエミリー」にもでてきます。(この場合カーテンという考えになってます)欧米の方々にとってなじみのある表現なのでしょうか。 私はハリーシリーズの底辺に流れている「死」についての書き方が好きです。死は終わりではないという気がしてくるのです。もうこの世に肉体はありませんが、だからといって生きている人達にとって(もしかしたら故人にとっても)終わりではないように読めるのです。亡くなった人達は、死後も自分が愛した人を守ることができるというふうに感じられて力づけられます。これがゴーストとそうでない人との別れめかと思ったりします。死の世界に行くことと引きかえに愛する人を純粋に力づけることができるようになるのではないでしょうか?生きているとどうしても制約がありますよね。肉体があると。だって、その場にしかいられないでしょう?ハリーとルーピン先生が離れていたら、シリウスは同時に2人を守るってことはむずかしい状況だってあります。それに肉体は疲労とか欲望とかに負けてしまいます。(もちろん負けない方もいますが)死んでしまったらそういうことなしにすべての愛する人を、守り愛せるようになる。生きている人は目にすることはできないけれど、強力な応援団、場合によっては軍団になるというふうに感じられるのです。これは特にヴォルデモート復活のときの杖から死者達が出てきた話のイメージからです。ゴーストさん達はこういうことはできないのじゃあないかと思うのです。シリウスなら姿を残すことより、愛する人を守ることを、特にハリーを守ることを選ぶと思うのです。だからニックが言うように「帰ってこない」し「逝ってしまうでしょう」と。ローリングさんは、ゆっくりと肉体がおとろえていく病気でお母様を亡くされています。死について深く思うことがあったと思います。また、死を悼む文章を読むとき、辛さと共有感を感じます。この後「死の間」の話は必ずでてくると思います。ひそひそ声はベールにぎりぎりまで近づいたら何を話しているのか、聞き取れるのでしょうか?ハリーはそこまで近づくことはあるのでしょうか?自分から?それとも誰かの力で?


★kmy
日本人的感覚なら、シリウスは三途の川の向こうへ渡ったということでしょうか。わたしはベールの向こうという表現をそう感じています。死は別れではなく、生きている者を守る力になる、という考えには同感です。シリウスの死を受け入れるには時間が必要だと思いますし、それは続巻までまたなくてはならないと思いますが、ゆっくり考えていけると逆に感じています。


★霧岬 ツカサさん
『シリウスの死について』の考察ですが、私自身は、kmyさんと同じく、閃光よりもベールをくぐった、というのが重要だと思います。シリウスの死については、様様なサイトで考察が行われています。きっと私と同じような意見を持っていらっしゃる方も多いと思います。

シリウスがくぐったベールは、死の世界とつながっているのではないかと思います。直接死の世界につながっていないのだとしても、死んだ人の魂をとどめておく、というような部屋(?)になっているのではないでしょうか。そのため、ハリーもルーナも作中で「ベールの向こうで声が聞こえた」と言っています。もしもこの声が聞こえる人、聞こえない人がいるのならば、聞こえる人は、セストラルが見える人と同じなのではないのでしょうか。
また、声が聞こえる人も限定されているのではないか、という理由ですが、作中(騎士団下巻 第34章 548頁、6行目から)で、ロンもハーマイオニーも声が聞こえていません。そのために、私は声が聞こえるのは、セストラルが見える人だけではないのか、あるいは、近しい者のなかに、死んでしまった人がいる人ではないか、と思っています。前置きが長くなりましたが、死の世界へと続く扉、あるいは死者の魂がとどまっているところ、そこへとシリウスは倒れこんだのです。
すなわち、前述のどちらの場合であったとしても、シリウスの魂は肉体から離れてしまっているのではないでしょうか。肉体が残らなかったのは、ベールが、肉体を魂に変化させる事が出来る、というような力があったのでは、と思っています。そうすれば、ベールを通り抜けた瞬間に、肉体ごと魂へと強制的に変化させられる事になります。こうなると、肉体が残らなかったのにも合点がいくのではないでしょうか。以上が、私の意見なのですが、いかがでしょうか。


★kmy
 セストラルが見える人はベールの向こうの声が聞こえる、というご意見には頷けます。まさにベールの向こうは死の世界なのかもしれませんが、声が聞こえることで、死者との繋がりを感じました。肉体が魂に変化するという考察も、なるほど、と思いました。そういう可能性もありますね。わたし自身もシリウスはベールの向こうから死の世界へ向かったと感じています。


★破片さん
 私はシリウスは死んだとは思っていません。まずシリウスを倒したのはベラトリックスではないと思います。彼女も確かに死喰い人で、強いとは思うけれど、シリウスは油断していたとは言え、前回から騎士団に入っているぐらいの人物なので、そんな簡単にやられてしまうことはないとおもいます。
 ただ、ベラトリックスはそのベールの向こうに行くとどうなるか知っていたのだと思います。だけど、シリウスは知らなかった。それでベラトリックスはあえて、弱めの呪文で、シリウスを油断させて、アーチの向こうに送り易くしたのではないでしょうか。それともこの前の通信でMidoriさんがおっしゃっていたように、わざとベールの方へ行ったのかもしれません。確かに、あそこにシリウスがいたのは何か変な気がします。シリウスの事なので誰の言うことも聞かずにハリーを助けるために飛び出たのかもしれませんが、シリウスを捕まえようと躍起になっている魔法省にみすみす入っていく事を許すような騎 士団ではないと思います。
 それで、アーチの事なのですが、神秘部って結局何しているのかって言うのはいつもうやむやになっていますが、私はきっと政府が魔法を使って、いろいろな物を発明してるんだと思います。錬金術師みたいな仕事とか。
四巻でカルカロフが、神秘部のが、ルックウッド死喰人だといっていますが、ヴォルデモートも神秘部に情報が(予言の事以外も)隠されている事を知っていたのでそこに手下をおこうと思ったのではないでしょうか。
 私の考えではアーチっていうのは、死者の世界と通じ合っているのではないでしょうか。
首なしニックが5巻の最後(p、682)でハリーに幽霊としてここに戻ってくる方法があるといいます。そして「神秘部の学識ある魔法使いたちが研究なさっていると思いますが・・・」と言っています。そして、ベールのあった部屋が死の間と呼ばれているので、ほぼあの部屋とあのベールが死に深く関係して いるいことは間違いないと思います。それと首なしニックがその場所について知っている事も気になります。
 もう一つ気づいた事があります。それはセストラルのことなのですが、5巻の最後、ホグワーツから特急に乗るまでに本当なら馬車に乗って帰るはずだと思う のですが、それについての描写が一つもないのが気になります。もしかしたら、いつもその描写は無いので全然違う方法で帰っているのかもしれませんが、セストラルをロンや、ハーマイオニーやネビルや、ジニーが見えな いままだとしたらまずいからそのシーンは書かなかったのかもしれません。それに5巻に初めてセストラルができてきたので、もし差し支えがなければローリングは書きたかったんじゃないかと思います。


★kmy
 神秘部の手下を置こうとした、という考えはありうると思いました。ヴォルデモートのとって有用な情報がいくつかあったことでしょうし、死喰い人の間では神秘部に隠されているもののいくつかについては明らかになっていて、死の間のベールについても承知だったかもしれませんね。ベラトリックスはもしかして、シリウスがあの場所にたったときにベールの向こうへ落とす、ということを意図したのかもしれません。とはいえ、シリウスは死んでいないと考えていらっしゃる破片さんの考えとは少々見解が違ってしまいますが。
 セストラルに関しては、まさに死の現場を見て、さらにその死を自身で消化した場合にだけ見えるようです。シリウスの死の場面に居合わせたのはハリーとネビルだけのようですので、実際セストラルは見えなかったのだと思います。変化がなかったので描かなかっただけかもしれませんね。